第47話

「うおおお!!おめでとう!!リンタロー君!!おめでとう!!」


 この俺が準決勝進出!?


 いや、ほとんどジェナとヴァンのおかげではあるけど!!


「いやあ、まあ?俺くらいになるとこんなもんよ!!」


「2回戦第5試合の方、準備お願いします。」


「はーい、じゃあ、こっからも頑張っていこう!!」


 生徒会長、元気だなぁ…


 辺りはもうすっかり暗くなっていた。


 夜飯の時間だ。


「リンタローさん、その、今日、ここに屋台、来てるみたいで…その、良かったら…一緒に、夜ご飯、どうかな~って…」


 今日はジェナは幼児退行したり出会った時みたいな性格になったり忙しいな。




「んー!食べ歩きもたまにはいいですね~!!」


 おいしそうにご飯食べてる…可愛い…


「そうだな。まあ、親父に遭遇したのはちょっと気まずかったけど…」


『お!リンタローにジェナ!!正式にお付き合いすることになったのか?お祝いに無料で2人分おでんをあげよう!!』


「まだ正式にお付き合いしてないんだけどな、冗談はよしてくれよってな…」


「…………もう、冗談じゃなくしませんか?」


「そうだな~いっそそうした…………今なんて?」


「その、正式にお付き合いしたって冗談………冗談じゃなくしませんか?」


 つまりそれって………


「やあ!お二人さーん!!なかなか熱そうだね~」


「リリンさん!?」


「姉ちゃん!?」


「やあやあ、2人とも凄いね~準決勝進出なんて!!あとこれあげる!」


 姉はそう言うとおもむろに指輪を取り出し、ジェナに渡した。


「え!?頂けませんよこんな高価な物!!」


「まあまあ、これ、私の自作だから!!」


 うちの姉は何故か鍛冶スキルを持っている。


「え!?ありがとうございます!!」


 いやな予感しかしないのは俺だけだろうか…


「姉ちゃん、今ジェナに渡した指輪何?」


「避妊魔法のかかった魔導機か…」


「姉ちゃん…だから俺はしないって言ってんだろ?」


「の割には…ガルドにリンタローの頭の中覗いてもらった時に、『もう少しで子供ができそうだったぞ』って言われてたけど?」


「いやあれは…」


「言ってるでしょ?女の子とそういう雰囲気になったら避妊魔法のかかった魔導機械買いに行きなさいって。」


「大きなお世話だよッ!!ちなみに男性用はありますか?」


「はい、無料プレゼント~。」


 でも一応ジェナにはつけておいてもらおう。で、俺もつけておこう。


「〔ここでシーズセン選手、準決勝進出決定!!〕んッんん!!〔お呼び出しのお知らせです。準決勝第2試合に出場するリンタローパーティーの皆さん、リンタローパーティーの皆さん、至急、準備をお願いいたします。〕」


「戻るか。」


「………そうですね。」

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