第45話

「ジェナ、ライゼンドラゴン行けるか?」


「はい、任せてください!!」


 おぉ…頼もしい…


「ヴァン、その他のあの外骨格の4人を頼めるか?」


「そんなの余裕のヨッちゃんよ!!」


「誰だよヨッちゃん……俺とビルトは遠距離で援護する!死角は任せろ!!」


 そう言って俺とビルトがその場から離れようとすると…


「おい!!あいつら女の子に戦わせて自分たちは安全圏から援護だとよ!!」


「外道め!!許せない!!」


「女の子にもっと優しくしろ!!」


「女性蔑視だ!!」


「「「「それは違う」」」」


 ………。


 聞いたことがある。


 魔法工科校は男女比が39なんだとか。


 だからこの高校に入った男は他校の女の子が皆可愛く見えてしまうそうだ。


 ただし、フェミニストを除いて…


「あの男向けて!!ライセンドラゴン!!魔力光線!!」


「発射!!」


 俺は近くにあった木を魔力変換、ビルトの首根っこを掴んで転送魔法を発動、回避した。


 ただ、木ですら転送魔法を普通に使えるだけの魔力を持っていることに、少し心が傷ついた。


 光線が撃たれた場所を見てみると、大きなクレーターになっている。


 やばすぎる…


 一度当たれば即退場だ。


 だが、今ライゼンドラゴンと戦っているのはジェナだ。


「フフフフ、お前ら魔法工科の奴らは女子に攻撃ができないだろ?つまり勝利はこっちのものさ。」


「お前らこそ馬鹿か?俺達はな、女の子に苦しい思いをさせないようにこんな破壊力の光線を作ったんだぜ?」


 なるほど、そういう感じか…


「おいそこの男2人!!こっちに来い!!この腰抜けが!!女の子だけに戦わせるな!!」


 まあ、相手の言ってることは正論なんだが…


 言っておくけど、女子を弱いと決めつけるのもある意味女性蔑視だからな。


「ジェナ!!今なら全力出せるだろ!!見せてやれ!!全力!!」


「はい!!火炎魔法〈フレイム〉!!」


「んぎゃあああああああ!!」


 瞬間、ジェナの前にいたドラゴンに爆炎が直撃する。


 武器を使わずこの威力…


 どうやら魔法使いの才能を取り戻したようだ。


「ヴァンも遠慮なくスキル発動しちゃっていいぞ!!」


「承知したわ!!【狂戦士バーサーカー】×【狂獣変化】!!グルルルルル!!」


「あっ…えっと、こういうのはもっと関係をおおおおおおおお!!」


 何を勘違いしたのか、ヴァンが真っ先に倒しにかかった男が赤面していたが、そのリンゴは一瞬で青リンゴに変色し退場した。


 まあ、怖いわな。


 なんか、俺達の出る幕じゃなさそう…


「見つけたぞ!!卑怯者!!」


「うわああ!!ビックリした!!」


「【メカニック・ブロー】!!」


__ズドオ!!


「ヒエッ!!」

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