第42話
「〔さあ第9試合、養成学校の生徒会長と副会長の試合です!!日頃から不仲説がささやかれている2人、どのような試合を見せてくれるのか!?北の方角、シーズセン・スルクルス!!〕」
うん、コンディション最高!!天気晴れ!!
決闘にはもってこいの日だ!!
「〔南の方角、セード・スロイタ!!学校のトップ2人が対面しました!!試合、始め!!〕」
さて、どうやって攻めようか。
僕の職業は戦える冒険者職の中で2番目に弱いとされている“弓使い:アーチャー”だ。
対して副会長セードの職業は戦える冒険者職で最強職と呼ばれる“聖騎士:パラディン”だ。
「シーズ、諦めろ。お前と俺とじゃ相性が悪すぎる。」
「おいおい、それ戦ってから言ってほしいな。戦ってもいないのにどうしてそんなことが言えるんだ?」
「ちょっと考えれば分かるだろ…」
やっぱこいつ嫌いだわ。
前まではこんなんじゃなかったんだけどな…
「まず、アーチャーは金属の防御を破ることができない。」
「奇跡が起きるかもよ?」
「そして、こうやって遠距離特化の職業なのに接近されている。この時点で詰みだ。」
いつも思う。
どうしてこいつは人の可能性を信じないんだろう。
奇跡とかも信じないんだろうな~。
真面目過ぎるんだよ。
「言うね。じゃあやってみようか?」
__ガン!!
さすがに金属の鎧を殴るのはバカだった。
あんなカッコつけたのに手が痛くてしょうがない。
「諦めろ。ここまで接近されたのが運の尽きだ。」
「〈ボルテックス・リング〉!!」
まあ、かっこ悪いとこ見せつけた後にカッコいいとこ見せれば±0でしょ。
「…これは…ペン!?」
僕の魔法は疾風魔法。ただ、アーチャーで矢を遠くに飛ばすために疾風魔法を習得したんじゃない。
矢の速度と命中精度を上げるために疾風魔法を習得した。
「そうか、降参する気が無いんなら戦ってもいい。」
上からだな…
「錬金魔法〈フルメタル・ソード〉!!」
なるほど、錬金魔法か。
武器や鎧を魔力が尽きるまで無限生成できて、主な戦闘方法は剣術で魔力はほぼ使わない。
聖騎士だから神の加護で魔力も定期的に全回復する。
「面白い!!【ショット】!!〈ボルテックス・リング〉!!」
狙撃スキル“ショット”は元々アーチャーのスキルだ。
僕の矢は疾風魔法で創り出した渦輪を通って加速する!!
「驚いた…」
疾風魔法はその魔法の効果範囲が広いことが取り柄だ。
でも僕の疾風魔法はあえてコップの縁ぐらいに効果範囲を絞っている。
疾風魔法を独自に進化させた魔法“渦輪魔法”
効果範囲を絞ることで局所的に突風を引き起こす。
「〈ボルテックス・リング〉!!ほら、もう僕の土俵だ。」
矢で徐々にセードとの距離を離す。
このまま押せば勝てるかと思ったその時だった…
「錬金魔法〈フルメタル・アロー〉!!」
金属の矢!?
そんなのも作れたのか!!
そうか、お前、優等生だもんな。
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