第38話

「「スキル発動!!」」


「【従順獣々じゅうじゅんじゅうじゅう】!!」


「【狂戦士バーサーカー】×【狂獣変化きょうじゅうへんげ】!!」


 私は、ヴァンディア・ヴェイル・ヴァルグリム。


 狂戦士


 実は暴走している間、意識がないわけではない。


 ただ、家で外を眺めてるような感覚になっているだけ。


「グルルルルル…」


 ただ、記憶はスキルが解けた時にほとんど消えて何も覚ええていんだけどね。


「あら、スキル発動したら怖い顔~…さあ、行きなさい!!」


 なるほど、魔獣使いフィンリ、強い。


 でも私にはとっておきの技があるから大丈夫。


「【狂獣変化:フェンリル解放】【狼刃】」


「「「「キャイン!!」」」」


「え!?ちょっとちょっと!!なんで逃げるの!?そうか、この人、体をモンスター型に変化させてるから魔獣のこの子達は本能的に恐れてるのね!?待って、どうしよう!!」


__ガブッ…


 噛みついた瞬間に退場した…


 まあ首だもんね…即死か…


「スキル解除!!あ!!できた!!スキル解除自分でできた!!………でも…あっさりだな~…あれ?私、何してたんだっけ?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「後は勇者の息子である俺に任せるんだな!!」


 決まったあああああ!!


 いや、今のセリフ絶対カッコいいだろ!!ジェナが気絶してて聞こえていないのが残念だが…


「フッ貴様1人で来るとは…よほど頭が悪いと見た。いくら削られているとはいえ、貴様に近距離で負けるほど弱くはない。まずは俺の…」


「【ショット】!!」


__キン!!


「危なっ!!おい、相手が話してるときに…」


「【ショット】増幅魔法〈パーピゲーション〉!!」


__ガガガッ!!


「そうか、話す気はないということだな。ではすぐに退場させてやる!!」


「こっちのセリフだ!!【ショット】!!」


__キンッ!!


「まっすぐ何の魔法もかけずに撃って来るとは、なめて…」


『スキルの発動条件が満たされました。』


「は?」


スキル発動!!」


 この時のルイのアホ面ったらありゃしない。


 まさか“銃弾が体に当たるのを避ける行動”がスキルの発動条件になっているなんて思ってないだろうな~。


「クソ!!」


 さあ何が来る?


 ミミック?爆破?電気ワイヤ?落とし穴?


__バシャァ!!


 …………。


「噓だろ?」


「ビビらせやがって…そして、服汚しやがって…」


 俺が引き当てたスキル効果は…

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