第37話

 私はもう、


「疾風魔法…」


 私を忘れたりしない!!


「〈ハリケーン〉!!」


「木々が吹き飛んだ!?疾風魔法が覚醒したのか?」


 体が乾いた。今なら…


「〈大地の斬撃〉!!」


「火炎魔法〈フレイム〉!!」


『火炎魔法、これはすごいぞ!!お父さんは火炎魔法がかかった手袋をつけていないと出せないが、ジェナなら素手で出せる。行くぞ!!火炎魔法〈』


「フレイム〉!!」


 両手を前に出し、火炎魔法を出す。


 岩の斬撃を一瞬で砂にする威力。


「〈氷壁〉!!……バケモンが…」


『最後に電撃魔法、これはお母さんに教えてもらおう!』


『電撃魔法はこうやって体に電気を貯める感覚を意識するといいわ!そうすればほら!雷の球ができた!!電撃魔法』


「〈エレキ・レイズ〉!!」


「クソ、こんな、こんな奴に…俺は…!!」


 ここまで追い詰めた、今なら行ける!!


 しかし、急な覚醒は身を亡ぼす。


「か、体が…あれ?意識が…」


 魔力切れだ。


「ここまで追い込んだのに…」


 体が…後ろに倒れて…


__ドサッ…


「やっと倒れてくれたな…限界を超えて魔力を使えばそりゃ倒れるに決まってんだろ。ま、仕方ないか。ここが決闘結界だったことに感謝するんだな。〈神雷斬〉」


__ダンッ!!


「ん?切った感覚が…体が無い!?どこに!?」


「よし、お疲れ。って、もう寝てるか。」


 そんなはずはない。


 こんな都合よく…


「さて、寝ることは死には入らないからな。とどめを刺されさえしなければ安心だ。」


「あいつを倒したのか!?」


「まあな。双子の事は誰よりも分かってるさ。」


「バカな、完全に上位互換だったはずだ!!ヤマダ・リンタロー!!」


「後は勇者の息子である俺に任せるんだな!!」


 あぁ、リンタローさん、私はやっぱりあなたの事が…


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「うわー…凄い爆音…あの子と当たらなくてよかった~。まあ、あなたに当たっちゃったんだけどね?」


「あら~文句ありそうね。あなた、対男特化だもんね~」


「嫌だ~、そんな不名誉な評判が出回ってるの~?私は、夢をかなえてあげる代わりに勝利を譲ってもらってるだけよ~?」


「「オホホホホホ~……」」


「「……………。」」


「「スキル発動!!」」

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