第32話
「お!!四天王の足止めに成功した2人のお通りだ!!」
なにこれ。
「よッ!!勇者の跡継ぎ!!」
「イケメン!!」
「美少女!!」
「最強の弟子!!」
いやなにこれ。
俺とジェナは教室に入るや否や囃し立てられました。
話を聴くと、どうやら今日の朝刊に載っていたらしい。
「いや、あの、私は…」
囃し立てられて赤面するジェナを見ると、ついちょっかいを出したくなる。
「ジェナは俺の命を守ってくれてそのあと俺にキスしてきたからな。」
「「「「「えぇーーー!?」」」」」
「ジェナちゃんカッコいい!!」
「純愛かよ!!」
「ってか2人ともそういう仲だったの!?」
「お似合いだと思うぜ!!」
「え!?え?!リンタローさん!?」
「あ、俺、ちょっとトイレ行ってくるわ。」
「え!?リンタローさん!?ちょっとこの人たち誤解してます!!ちょっと…」
少し放置しておこう。
「なあ悪かったって、話聞いてくれよ~。」
「………。」
放課後、実行委員として選抜戦の会場の下見をしに馬車に乗っていたのだが…
あの後トイレにしばらく籠ってたら話を聞いてくれなくなりました。
「誤解を生むような発言をして、それを放置するのは人としてやっちゃいけないことだと思います。」
「すいませんでした。」
俺達の様子を見て、同じ馬車に乗っていた生徒会長が反応する。
「リンタロー君、何したの…?」
「それは、かくかくしかじか…」
「あはは!!マジか、君なかなかヤバイね!!彼女さん大事にしろよ?」
「いやだから付き合ってるとかじゃなくて!!」
「甘酸っぱい!!実に甘酸っぱい!!もう付き合っちゃえよ!!」
生徒会長、壊れた?
「おいシーズ。もっと生徒会長として恥ずかしくないように…」
「別にいいだろセード…同学年だぜ?」
生徒会長、人前ではかなりしっかり者のイメージだったけど…
「それよりさ、君の話を聴かせてくれ!!」
根は普通の男子らしい。
さっき、生徒会長に恥ずかしくないように指摘した副会長セードさんは少しシーズを睨むような表情をしているのが気になる…
「ほえー、リンタロー君、耳貸してくれ!!」
「??」
「告るタイミングとか決めてんの?」
「!?ま、まだ決めてねーよ!!ってか、そんな予定ないし!!」
「ふーん?まあ、もし相談したいことがあったら訊いてくれ。恋愛相談に関しては僕の右に出る奴はいないからな。」
「フラれたやつが何を言う。」
「セードうるさい。」
「………。」
あ、分かった。
生徒会長と副会長、仲悪いんだ。
「ちなみに、2人は同じパーティーなんだよね?」
「はい、まあ…」
「まあ、そうだな。シーズは?」
「僕は1人で出場する。あとセードも。」
え!?
「他のパーティーメンバーは!?」
「あー、なんか別のパーティーと合同で出場するらしい。いや、こっちの事情に付き合わせてしまって申し訳ないと思ってる。」
こっちの事情?
まさか…
「2人って…」
「1回戦で僕とセードが当たることになってる。」
決闘って奴か…
「ま、お互い頑張ろうぜ!!」
生徒会長VS副会長か…
なんだか凄い荒れそうな気が…
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