第31話

 良いものを見た。


 女子の体ってこうなってるのか…


「こうして気絶してる女子の体見るってかなり罪悪感あるな…」


 俺は湯船で倒れたジェナの体をふき、そのまま布団で寝かせることにした。


 体をふいた際、タオル越しに柔らかいものもしっかりふくことになったが、タオル越しなのでセーフではないだろうか?


「さて、腹減ったな。なんか作るか…とは言っても他人の家の食材を物色するのは良くない気がする…」


 待つか。


「スー…スー…」


 こいつの寝顔、結構良いな…


 この美少女とキスしたんだよな?


 もう一度、してもいいだろうか?


 良い訳ないだろ、何考えてんだ俺は。


 ……ってか、こいつ起きた時に恥ずかしさで話を聴いてくれなくなりそうだな…


 そうだ。


 数十分後…


「……むにゃ…おはようございます…あれ?気絶する前の記憶が…」


「お前、風呂でのぼせて倒れてたぞ?体洗う前に倒れたからもう一度風呂入っていいと思うぞ。」


「??はい、分かりました。あれ?何で記憶が…」


「あ、あと朝食作るから食料庫見てもいいか?」


 するとジェナは嬉々として言った。


「朝ご飯作ってくれるんですか!?」


「ま、まあ、時間的にほとんど昼飯だけど…」


「やった!!ありがとうございます!!私、自炊が苦手で、嬉しいです!!」


 やめてくれ、そんな喜びに満ちた目で俺を見ないでくれ…


 時は数分遡る。


「こいつの力使うのは初めてだけど古くからの中だし…大丈夫だろう…」


 俺は冒険用のバッグに入れておいた種を取り出す。


「お前と契約がしたい。出てきてくれ。」


 すると取り出した種の1つから芽が出て葉が出て花が咲いた。


「フハハハハハ!!貴様、なかなか悪ではないか!!フハハハハハ!!」


「しー!!静かに!!起きちゃうだろ?」


「フハハハハ!!貴様、そこの女にセクハラをして後悔しておるな?そこで、我を使ってそこの女からセクハラの記憶を消すつもりか!!フハハハハ!!高くつくぞ!!フハハハハ!!」


 花はうねうね踊りながら話す。


「代償は何がいい?」


「フハハハハ!!では、今日の夜、我の手伝いをしてもらおうか!!契約成立である!!フハハハハ!!ほれ、記憶は消しておいたぞ!!」


 正直、どんなことをさせられるのか心配だが…


 背に腹は代えられない。仕方ないか。


 そして今に至る。


 まあ、これが俺ができる唯一の償いか…


「美味しそうです!!香りもよくて…リンタローさんって料理できたんですね!!」


「ま、まあな。母から教わって…」


「いただきます!!おいしい!!」


 こう見ると本当にジェナは変わったんだなと思う。


 明るくなった。あの頃の人見知りのジェナじゃない。


 そろそろ俺も変わらないと…


「ごちそうさまでした!!ありがとうございます!!」


「…………あいよ。」


 そうか、俺は…

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