第23話 Sランクとの食事

 今はクエストを終えた後ギルドに戻り、さっき起きたことの報告をしているところだ。


「その少女のエーテルマギアについて詳細は判明しましたか?」

「分身のようなものを作り出す効果があること以外は全く」

「なるほど」





「今回のクエストで得られた情報はこれくらいですね」

「有益な情報提供をありがとうございます」


「機会があればまた呼んでください」

「ご協力感謝いたします」



 報告を終え、今日やるべきことは全てこなした。


「今日はほんとにいろいろあって疲れたよね~」

「そうだな、今日は色々なことが起こりすぎた1日だった」

「今日はレストランでゆっくりご飯食べたい気分ね」

「じゃあ4人で食べに行かない?」


「あたしは行こうかな」

「俺も行こう」

「私はパスで」


「つれないねヴィオラ~」

「今日は疲れたから家でゆっくり休みたい」

「消極的休養ってやつかしら? ゆっくり休むことね」

「うん。ありがとう」




 空はすっかり暗くなり、レストランに集まる時間がやってきた。


「3人だけだとちょっと物足りない感じだね」

「お腹も空いてるし早く入るわよ」



「おや、君たちはダリウスくんのパーティーかな?」

「アルテナさんですか。お世話になってます」

「今日は3人だけなのか。良かったら一緒に食べないか?」


 アルテナは4人用のテーブル席に1人で座り料理を食べていた。


「では、ご一緒させていただきます」


「今日は私が奢る。好きなものを食べていいからな」

「えへへ、じゃあお言葉に甘えて私はこのステーキセットを頼んじゃいます」


 なかなかに遠慮のない注文。アリスらしいといえばアリスらしい。


 セレナと俺はいつも通りの食べ慣れたメニューを注文した。


「ランクアップしてからも上手くやれてるか?」

「なんとか」

「やはりBランクに推薦した私の目に狂いはなかったというわけだな」


 その後は今日起きたことをアルテナに全て話した。


「そんなことがあったのか。に関わり始めたこの初日から大変だったな」


「ですが今回の一件があったおかげで協会からの評価も上がり、今後任されるクエストについても少し有利に働くでしょうね」


 その後は雑談を続け、全員の食事が終わった。


「いやー、興味深い話が聞けて良かった。君たちが良ければ今度私たちと共同でクエストを受けてみないか?」

「Sランクと一緒にクエストってなんかいい響き~。自分が一気に強くなった気分」

「あたしもちょっとやってみたいかも」


「ヴィオラの意見はどうする?」

「ヴィオラならきっとすぐにOKしてくれるわよ」

「というわけなので、ぜひお願いします」

「前向きな答えが聞けて嬉しいよ。じゃあまた今度」


 手を振りながらアルテナは帰っていった。


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