第19話 いよいよCランクと思いきや
今日はランクアップの件でギルドに呼ばれている。
「私たちCランクになれるのかな」
「ランクアップの話って向こうが言ってるわけだしそうじゃないかな」
「ようやくあたしたちの頑張りが認められたわけね」
3人はランクアップの話で舞い上がっている。
ランクが上がれば受けられる任務のレベルも上がるので俺も満更ではない。
「Cランクになれば戦闘系のクエストも増えるかもな」
「そうなれば私の力を活かせる機会も増える」
「ヴィオラは戦闘面ならダリウスの次に優秀だからね」
ギルドの受付に着いた。そこにはいつも世話になっているフィーナがいる。
「皆さん、いつもお疲れ様です」
「フィーナさんこそ、いつもお疲れ様です」
「どうも」
「挨拶はここまでにして、本題に入らせていただきますね」
3人の緊張が背中に伝わってくる。
「今回の一件でダリウスさんたちのパーティーはBランクに昇格となりました」
ん? Bランク? Cではなく?
「私たちってDランクだったよね? なんで飛び級してるの? 協会側のミス?」
「それは私の口から説明しよう」
突然後ろから聞き覚えのある女性の声がした。
「アルテナさんですか。昨日はお世話になりました」
「その件は別に気にしなくていい。ランクの高いパーティーが前線に出るのは当然のことだからな」
「それで、ランクアップの件をあなたから説明していただけると?」
「私が君たちのパーティーをBランクに推薦したんだ」
現代最強のパーティーのリーダーなだけあってアルテナはかなり顔が利くらしい。
「なぜそのようなことを?」
「あんな神業を目にしてしまってはな。そんな君がいるパーティーをCランクに置いておくのはあまりにももったいないと判断したんだ」
グリム・ディザスターは影響のでる範囲が広く、魔導師のパーティーも分散するので3人以外には見られていないと思っていたんだが少し考えが甘かったようだ。
「では、私はクエストが忙しいのでこの辺りで失礼する」
「はい、Bランクへの推薦、感謝します」
「はははっ、感謝してくれて良かった」
その言葉を最後にアルテナはギルドの外へ飛んでいった。
「いやー、ダリウスのあの技術ってSランクからも神業に見えてるんだね」
「並の魔導師にはあんな技再現できない」
「あたしもあんなことできたらなー」
「それにしてもダリウスはどうやってあんなことできるようになったの?」
「たまたま遠隔発動が得意だっただけだ」
「ダリウスはたまたまとか偶然って適当に誤魔化すことが多い気がする。前に私と剣術の訓練をした時もそうだったし」
「本当にたまたまそうだったんだから仕方ないだろ」
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