第10話 初のクエスト
昨日の散策でギルドのことはほとんど把握した。
今日は本格的にクエストを受けに行く。
「今日は初めて私たちでクエストを受けるね」
「あたしたちの実力をアピールするチャンスよ」
ギルドに着くと、既にいくつか魔導師のパーティーが来ていた。
「おはようございます、ダリウスさん。今日も早いですね」
「ええ、今日から本格的にクエストを受けたいと思い、早めに来ました」
フィーナが1つのファイルを取り出して来た。
「現在ダリウスさんたちのパーティーランクはDランクなのでまずはこのクエストを受けてみることをおすすめします」
そういってフィーナが指差したのは直前にあった助けを求める通報への対応だ。
ちなみにこのギルドにはパーティーランク制度と呼ばれるものがある。
そのパーティーがこれまでに挙げた功績や実力によってD~Sでランク分けされる。
俺たちはまだ何も成していない無名のパーティーなのでランクは最低のDランクとなっている。
「通報があったのはこの近くなので危険度もそこまで高くなく、チュートリアルには丁度いいと思います」
「いいアドバイスをありがとうございます」
「いえいえ」
「それでは行ってきます」
「はい。初めてのクエスト、頑張ってくださいね」
ギルドの入り口前まで出てきて俺が風属性魔法、疾風を発動した。3人も俺同様に風属性魔法を発動している。
魔法によって発生する風を自由に制御し自身の体を宙に浮かす。
後は風を自分の体のように操り目的地へ一直線で飛ぶたけ。こうすれば最速で目的地につける。
しかしこの移動方法は事故が起きた前例があるので多用は推奨されていない。
一直線で目的地へ移動できるからとても速い。
出力を上げれば前世よりも速く移動できるだろう。
1分ほどで目的地に到着した。
そしてそれと同時に目に入ってきたのは二足歩行で全身が黒い怪物だった。
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