第8話 中央魔法協会のギルド

 今日は正式に魔導師となって初めてギルドに行く日だ。 

ギルドの近くで他の3人と待ち合わせをしている。


「おはよう」

「ああ、ヴィオラ。おはよう」


 一番最初にやってきたのはヴィオラ。眠い目を擦りながらこちらまで歩いてきた。

ここだけの話、ヴィオラは朝に弱いらしい。


「……」

「……」


 ヴィオラは結構口数が少ないタイプだ。2人でいると少し気まずい空気が流れる。

とはいえこちらから話しかければ最低限の返しはしてくれるので全くの無口というわけでもない。


「セレナは問題ないだろうがアリスはどこか抜けているところがあるから、今日に限って寝坊かもしれないな」

「来なかったら3人で行こ」




「おはよー、あたしが最後じゃなくてよかった」

「おはよう」

「おはよう。アリスは寝坊かもしれない」

「もう現地集合でいいんじゃない?」


「ダリウス、あれ」

 ヴィオラの指差す方を見ると遠方からアリスが走ってきているのが見える。

身体強化があったのでそこから10秒ほどでここまでたどり着いた。


「はぁ、はぁ、はぁっ。遅くなってごめん、行こっか」


 3人は期待に満ち溢れた雰囲気を放ちながら俺の後ろを歩いている。


「ここがギルドか~、大きいね」

「医療設備、依頼の受注と管理、魔導師たちのトレーニング施設、色々な機能がここに集約されているからな」


 ギルドの敷地は学院とそこまで変わらないほどに大きい。中央魔法協会にとって本部のような存在なので当然だが。


「受付の方へ向かおう。このギルドの案内をしてくれる」


 受付はギルドに入って前方に歩いていくとある。敷地が広いのでここでの案内をしっかり覚えておかないと迷子になるかもしれない。主にアリスが。

「初めまして。ダリウスです」

「ダリウスさんのパーティーですね、お待ちしておりました。まずは自己紹介を、私はフィーナ。ここで受付の仕事をしております。これから先このギルドで分からないことがあればなんでも聞いてくださいね」

「頼もしいです」

「それでは早速案内していきましょう。私について来てくださいね」

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