第3話 入学試験

 アルカディア魔法学院。

それはこの国で一番高度な魔法に関する教育を受けられる教育機関。

各地から魔導師や魔導技師志望が集まり、毎年高い倍率と偏差値を誇っている。


「ヴィオラさんは自信ありますか?」

「実技試験の方はそれなりに。お2人は自信、あるんですか?」

「私はしっかり勉強したから多分大丈夫……なのかな」

「俺は全く問題ありませんね」

「ダリウスさんのその自信はどこから?」

「努力したから、ですかね」

「なるほど」


「そういえばその制服、あまり見かけませんがもしや国外から?」

「ダリウスさんは鋭いですね。私はフィリスタル出身で最近この辺りに引っ越したんです」

「ダリウスすごーい。よくわかったね」

「ただの勘だ」


 駅から歩き始めて20分ほどで学院に到着した。

立地に駅からのアクセスはあまり考慮されていないように思う。寮に住む生徒がほとんどだからだろう。


「ここがアルカディア魔法学院か~。校舎もグラウンドも凄く大きい~」

「他の学生さんもかなり集まってきてるみたいですね」

「まずは向こうの大講堂で集まらなければならない。いい場所を確保するためにも早く行った方がよさそうだ」


 大講堂ではよくある校長からの長ったらしい話とこれからの流れの説明を受けた。

この後教室に移動しまずは筆記試験を受ける。終了後に昼食の休憩を挟み午後に実技試験というスケジュールとなっている。


「私たち、同じ教室でしたね」

「運命ですね~ヴィオラさん」

「ですね」


 全員着席し、試験用紙が前から配られた。

まずは国語、次に数学、魔法学の順で筆記試験は行われる。

魔法学はこれから本格的に学ぶのでそこまで難易度は高くないだろう。


 国語の試験開始20分。俺の前の席に座るアリスは問題が解けずに頭を抱え、アリスの斜め前に座っているヴィオラは机に伏して眠っている。


 2時間目の数学。アリスは相変わらず頭を抱えヴィオラは眠る。


 ヴィオラは実技試験にしか自信が無いと言っていたが流石に悲惨すぎないか?


3時間目の魔法学の試験。ここは予想通りそこまで難しいものではなく、2人もスラスラと手が動いていて安心した。


 3時間目が終わればそのまま昼休憩だ。アリスがこっちを向いて座りヴィオラを呼んで3人で昼食を取る。

「やっと筆記試験終わったー!」

「後は午後の実技試験だけだな」


「今年はどんな内容なのかな」

「まだ私たちは未熟ですし魔法の的当てや身体強化の基礎を試されるような内容だと思います」

「まあそれはその時になったら考えようかな。今はとにかく休んで筆記試験での疲れを癒さないとね」






 

 

 



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