報酬
いきなり僕の元を訪れてきたルーナ王女殿下。
「……何をしに来られたのでしょうか?」
そんな彼女に対して、困惑の表情を浮かべながら、僕は疑問の言葉を口にする。
「お礼をしに来たんです……貴方のおかげで、私は大切な祖国を取り戻すことが出来ました。私は無事にオルスロイ王国の女王になることが出来ました」
「おぉー!それは良かった。僕としてもほっと胸をなでおろすよ。本当に良かった」
「これも貴方のおかげが大きいです、本当にありがとうございます」
「どういたしまして。お力になれて良かったです」
こればっかりはそうだと思うな!
今回の一件で、僕は大活躍をしたと言っても過言じゃないと思うねっ!一番やろ。
「お礼として、しっかりとした謝礼金を本来は払うべきところなのですが……現在、我が国は復興に勤しまなければならないところです。」
「……ッ!それは、それは非常に嬉しいですね。金銭はいいので、それよりもうちとの交流や取引をお願いしたいですね。本当に、切実に、取引相手が欲しいんです。我が家は」
一時的に金を得るのも大きいが、どちらかというと僕は恒久的に続くような利益を追い求めたい。
ある程度、経済活動が行われないと、設備投資!とか言えるような状況にならない。
まとまったお金を手にするだけであれば、マリエとフェーデの二人にこの世界にある困りごとを解決して、それでお金を稼いできてもらえればいいからね。
これまでも、ちょくちょくお願いしてしまっている。
「それで、受け入れてくださるのならありがたいです……本当にすみませ、いや、ありがとうございます。必ずや、我が国が復興した時、恩返しをすると誓いますし、貴領が危機に瀕した時は助けると誓いますわ」
「それはありがたいです。お願いしますね」
ただの男爵家が一国のバックアップを受ける。
それ以上のことはない……っ!オルスロイ王国には一刻も早い復興を願うばかりである。
僕に出来ることは多分、何もないので本当に祈るだけだけどね。
「それでは、しばらくの間、私はここに滞在するので、何かあった時にはお気軽にお頼りください」
「ん?それで大丈夫なんですか?色々と、忙しいのではないのでしょうか……?」
「いえ、これからしばらくの間は私よりもティラン様の方が忙しくなるでしょうし、しばらくの間はここに滞在しようと思います。お手伝いも出来ますよ」
「……ん?何で?」
僕がこれから忙しくなることなんてないと思うんだけど……?
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