女王
世界各国の軍隊はは早々にオルスロイ王国から引いていく。
思惑通りには進まず、下手に動いても、圧倒的な戦功がないために旨味を獲得することは難しい。
民主革命などという自国にも悪影響を与える可能性のある厄介ごとを排除した。
それだけで満足することにした世界各国の軍隊はこれ以上の出費を控えるために、早々と引いていったのだ。
すぐに他国の軍勢はなくなったのだ。
「……私が、王に」
そんなオルスロイ王国。
ゴタゴタの後に残されたオルスロイ王国を抱くことになったのは今回の一件で大きな存在感を見せた一人の少女。
オルスロイ王国スミスカート王朝における王位継承権第六位。
ルーナ・スミスカート第一王女であった。
既にオルスロイ王国の王族はもう残っていないと考えられている。
ほとんどが処刑され、本当にルーナしか残っていないんじゃないか、という状況であり、彼女しか王になれる者がいないというのも事実だった。
紅魔の牙は、王族だけでなく、血のつながりを一応は持っている公爵家まできれいに全滅させたからだ。
「……ふー」
祖国を救うことを望んでいた。
それでも。
自分が国王になる!とまでは強い気持ちで持っていたわけじゃない。
当然、その可能性は考えていたが……実際になった時の負担。
心労の重さは大きい。
全国民の命を背負っているのだ。軽いわけがない。
「国も、荒れ果てているしね」
しかも、現在のオルスロイ王国はかなり荒れ果てている。
もはや、王都は苛烈な紅魔の牙の政策により、人っ子一人いない状況になっている。
殺されるか、別の街に移住するか。
国はそんな状況にまで追い込まれているのだ。
「でも、私は……」
それでも、ルーナの中にオルスロイ王国を捨てるという選択肢はない。
彼女は、国の為に戦うという決意の心を硬く持っていた。
そんなルーナは今、オルスロイ王国ではなく、とある男爵領へと訪れていた。
戦後に当たって、やらなきゃいけないことを済ませるためだ。
「ふふっ」
男爵領にある屋敷。
そこの執務室へと入る扉の前に立つルーナは笑みを漏らす。
その頭の中にあるのは当然、自分がお世話になった少年のことだ。
「本当に、助けられたわ……あなたがいなければ、私は……」
少年のことを思いうかべ、笑みを浮かべた後、ルーナはノックもせずに迷いなく扉へと手をかける。
「失礼いたします」
そして、ルーナはそのまま
既に、へと入るための許可はマリエの方から取っていた。
「……ッ!?」
そんなルーナを前に、窓を眺めながらキリっとした表情を浮かべたつもりでいた少年、ディザイアは驚愕の視線を向けるのだった。
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