告解

 マリエとフェーデ。

 その二人が自分のいる部屋へと勢いよく突撃してきた。


「……ッ!?」


 それを受けて、天蓋付きのベッドから這い出ようとしていた僕の体が止まる。


「まだ動いてはなりませんわ。まだ、安静にする必要がありますので」


「まだ動くでない。何かあったら、どうするというのかっ!」


「う、うん……ごめん」


 すぐに自分との距離を詰め、顔を乗り出しながらそう告げる二人の言葉に頷き、そのまま謝罪の言葉まで告げる。


「でも、体の方はめちゃくちゃ元気だよ?」


「関係ありませんよ?一度、ディザイア様は怪我を負ったのです」


「我が完全に治したが、それでも、万が一ということもある。ジッとしておくのだ。もう既に、革命騒動も終わった」


「……あっ、ちゃんと終わったの?」


「うむ」


「終わりましたね」


 僕の言葉にマリエとフェーデの二人が頷く。


「それならよかった……」


 どうやら、僕が見逃していた要素はなかったようだ……。


「それでは、ディザイア様。早速ではありますが、現状についての説明を行いますか?」


 内心で安堵した僕に対して、マリエの方が報告を行うと口を開く。


「あっ、それよりも前に言っておかなきゃいけないことが……」


 だけど、それを遮って僕は口を開く。


「はい。何でしょう」


 ……もう、時期も次期。

 タイミングもタイミング。

 というか、あの場で僕の晒した姿のことを考えると話さなきゃいけない内容だ……。


「ごめん、二人とも」


「「……?」」


「僕は、別に何も強くないんだ。二人から、尊敬を集められるような、特別な人間じゃないんだよ……」


 覚悟と共に、僕はぼそりと言葉を口から漏らす。


「何を今更そんなことをおっしゃっているのですか?ですから、私たちは一番最初に御身を一人にすることへと反対したのですよっ……その上で、くっ」


「何の話をしておるのじゃ?おぬしが強い要素なぞないじゃろう」


「えっ……?」


 だけど、それを裏切るような二人の回答を前に、僕は困惑の声を漏らすのだった。

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