急展開
展開は急転し、物事の歯車は一気に回り始める。
王政の打倒、その事実は世界中の国々大きな驚きと影響を与える……この世界において、王政ではない国家など存在しない。
自分たちの政治形態へと反旗を翻すようなことを、世界各国が認めるはずもない。
というわけで、オルスロイ王国の革命軍を叩き潰すために世界連合が結成されていた。
だが、その連合内にいる国々の思惑は様々である。だからこそ、これまで一致団結して効果的な動きを見せることができていなかった。
「ふぅむ。本当にあの子はうまくやる」
しかし、それもほんの一週間前のことである。
今、世界の連合軍は一気に動き出していた。
その理由は何か。
「あそこまでの大軍勢を作り上げるとはな。よもや、よもやだ。いくら、オルスロイ王国の王女の身柄を押さえていたとしても、そう簡単にできるようなことではない」
自分たちとは違う場所で大規模戦闘が行われたからである。
一週間ほど前、オルスロイ王国の残党をまとめ上げた王女の軍勢が革命軍への攻撃を開始、快進撃を見せているのだ。
これまで動きを止めていたものたちはあくまで、自分たちの利益を最大化させるために互いが互いに牽制し合っていたから停滞していただけにすぎない。
ここまで来て、何の成果もないばかりか、無能の烙印を押されて今回の騒動が終わるわけにはいかない。
その思いから世界連合国は快進撃を始め、圧倒的な力で革命軍の連中を蹴散らしていた。
この軍勢は世界中から集まられた精鋭たちである。
ただの革命軍風情で勝てるような相手ではなく、裏にどんな組織が暗躍していようとも真正面から叩き潰せるだけの圧倒的な力を有する大軍勢だった。
「実に素晴らしきかな」
圧倒的な力で持って、前進を続ける大軍勢を前に、ここまで最も近い位置に国があるからと総大将の位置に封じられ、動かぬ軍勢を前に歯痒い気持ちを持っていたパテーマ王国の国王は満足そうにうなづく。
彼も納得できる、圧倒的な力だった。
「彼も今ごろ、ほくそ笑んでいるところだろう」
そして、国王は今の状態を引き起こした者。
まだ小さき少年のことを思って声をあげるのだった。
◼️◼️◼️◼️◼️
そんなことを国王が思っている中で。
「無理ぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい」
その件の人物である少年、ディザイアは今
「もぉー、マジで限界っ!攻勢限界っ!力尽きたっ!もぉー、無理っ!!!」
天に向かって弱音を叫び散らしているようなところだった。
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