方針

 紅魔の牙。

 それに関しての知識を僕は遠慮なく説明していった。


「……なるほど」


「……理解出来ました」


 そんな僕の説明を聞き終え、完全に思案の態勢へと国王陛下とルーナ王女殿下が入っている中。


「それでですね」


 僕は遠慮なく次の言葉を告げる。

 もうこのまま全部押し流そう。情報量で二人を押しつぶしちゃえっ!


「今後の方針についての自分の考えを話していきますね。まずは、国王陛下を初めとする世界の連合軍には数の多い革命勢力を相手してもらうとして、マリエにフェーデと。個人の能力がずば抜けている二人の人員を抱える僕は出来るだけ質は革命勢力よりあっても、数はない紅魔の牙を相手にしたいですね。フェーデであれば完全に焼き尽くせそうですが……」


 竜であるフェーデならどんな軍隊も炎のブレスで一撃やろなぁ。

 改めて思うけど、皿洗いに誇りを持っていいようなレベルの存在ちゃうよな。フェーデ。


「ですので、ルーナ王女殿下を表舞台に出すのは少し、控えましょう。自分の屋敷で保護しますが、相手を揺るがす切り札にもなるルーナ王女殿下のことは終盤まで伏せておきましょう」


 革命勢力が数で我が領地に押し寄せてくるとことか考えたくはない。

 相手を大量に引き寄せてしまいそうなルーナ王女殿下には出来るだけ動かないでもらいたい。


「最初の方は紅魔の牙との水面下での戦いを行っていきたいですね。王女の身柄をこちらが抑えている以上、向こうもこちらへの対処をせざる得ないでしょうし、自分の方に人員を送ってくるでしょう。それに対応しながら、向こうの組織の本拠地を探す。そんな戦略をとろうと思っているのですが、どうでしょうか?」


 あくまで自分の都合のいい通りに。

 一番、領地に被害を与えない作戦をっ!


「うむ。それでよいと思うぞ。君たち三人を最大限生かすのならそれが一番だろうよ」


「承知いたしました」


 そんな一心でしっかりと言い切った僕の作戦へと国王陛下並びにルーナ王女殿下は頷くのだった。

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