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 それから、数人の相手にも尋問を行ったが、得られた情報はギアスと同じようなものだった。


「紅魔の牙かぁ……」


 そして、尋問の部屋から場所を会議室へと移し、僕は聞きだした組織名をそのまま口にする。


「何だ?お前は、その組織の名を知っているのか?我は聞いたことないが……確かに、尋問中も紅魔の牙への食いつきが悪かったな」

 

 そんな僕の言葉へと国王陛下が反応する。


「そうですね……知っていますよ」


「ほう?我も知らぬ組織のことをお主が知っているとは……流石、竜を飼いならし者、というところか?」


「そんな大層なものじゃないですよ。ただ、以前に自分の領内で彼らの組織が動いていたというだけです」


 全然嘘だが、あの組織であれば荒れ放題だったロロノア男爵家へと手を出していてもさほど不自然ではない。


「ほう?そんな報告は聞いていないぞ?」


「上げていませんからね。まだ、僕が当主代行だった時の話でしたし。本来の当主が眠っている状態の我が家はほとんど身動きが取れなかったんですよ。うちのような男爵家の、当主代行程度じゃ、王家の方に一報を入れることさえ容易ではありません。報告を上げている余裕はありませんでしたね」


「……まぁ、確かにそうか」


「あの時に来た彼らはそれほどの脅威になるような人たちではありませんが……組織の全容であれば何となくわかりますよ。ちょろちょろ、地味に知らべさせていましたので。うちで散々と非合法的な取引をやっていた連中に金を渡して調べてもらえればすぐだったですよ」


 なお、ここまで全部ウソ話だ。

 僕はただ、ゲーム知識で知っていただけですよ」


「ロロノア男爵閣下」


「自分のことは気楽にロロノア卿でよろしいですよ。ルーナ王女殿下。自分の立場はあまりにも貴方からかけ離れすぎています」


「わかりました。それではロロノア卿……どうか、お願いです。その紅魔の牙について教えてくれませんか?我が国で暗躍する者たちのことを、どうか私に」


「承知しました」


 自分へと懇願するように告げるルーナ王女殿下の言葉に頷いた僕は口を開き、色々と説明していくのだった。

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