尋問
国王陛下より貸してもらった尋問を得意とするような騎士が数人。
その人たちを前に僕は大喜びし、尋問の方はすべて彼らに任せるつもりだったのだが───。
『尋問、ロロノア卿もやってみたらどうだ?必要になってくる機会はこれからも多いだろう』
───国王陛下の鶴の一言のせいで僕が尋問を一回経験してみることになってしまった。
「さて、と」
そういうわけで、僕は自分の護衛といてマリエにフェーデを従え、それに加えて尋問を得意とする人たちまで従えた状態で、侵入者たる1000人の前に立っていた。
「ずいぶんと元気そうじゃないですか」
糞尿塗れで呆然と地下に閉じ込められている侵入者たちを前に僕は初手から全力で皮肉を告げる。
「……クソっ、誰のせいで」
そんな言葉に対して、返ってくるような返答の声はかなり小さかった。
「まぁ、良いです。それで聞きましょうか。本当は糞尿塗れになった君たちがここで感染症を発症して全滅した時に、その遺体を自分にとって不都合な相手のところへと投げ込むための武器にしようと思っていたのですが。国王陛下からしっかりと尋問するように言われてしまったのですね。この中で、大人しく喋るという方はいませんか?」
「「「……」」」
「私は捕虜への扱いは丁寧に行いますよ?そこから出し、しっかりと体を洗わせてあげますかいかがなさいますか?」
最初の言葉では何も響かなかった。
だが。
「お、俺を!?俺は喋るっ!だから、ここから出してくれ……っ!もう、匂いで夜も眠れずに狂いそうなんだっ!?」
続くの僕の言葉を受け、侵入者のうちの一人が声を張り上げる。
「お、おいっ!?お前っ!!!」
そんな裏切りを前に激昂した侵入者の一人が、裏切り者へと近づこうとした瞬間にフェーデが魔法を発動させ、結界でもってその彼を守る。
「わかりました。ほかにはおりませんか?」
「俺もっ!頼む……っ!」
「俺もっ!もう、あの竜に睨まれるのはっ、あぁぁぁぁぁぁああああ!?」
「俺もだっ!」
そして、そのまま次々と僕へと頭を垂れる者が現れるのだった。
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