別の話題
まったくもって何の話か理解できない会話の末、自分がルーナ王女殿下と共に戦うことが決まってしまった後。
「国王陛下」
「うむ。何じゃ?」
「あえて、この場で発言にいたしますが、先日。我が領内に1000人ほどの侵入者が現れました」
僕はルーナ王女殿下もいるこの場で侵入者たちが出たことを報告していた。
「何っ!?」
「その身柄を捕獲した後、放置しております」
「そうかっ!では、その侵入者たちの面を見に行こうか」
侵入者たちをどうしたかという僕の言葉を聞いた国王陛下はすぐにどうするかを決定するのだが。
「いえ……それはあまりお勧めいたしません」
それを僕は否定する。
「何故じゃ?」
「尋問のための下準備中でして。現在、侵入者たちは三日間ほど、フェーデの監視のもと、穴の下に幽閉されております。当然、食料等は出しておりますが、そもそもとしてトイレがございません」
「むっ……?」
「糞尿を垂れ流しているような者たちの前に国王陛下とルーナ王女殿下の前に立たせられません。今の彼らは汚物当然です」
「そ、そうか……」
おい、引くな。国王。
僕がヤバい奴みたいじゃないか。
「さしあたっては、国王陛下の手元にいる尋問の経験がある人材を幾つか貸していただけませんか?我が領地内だと、僕やマリエ、フェーデがやるという選択肢が最も最善となるほどに人材がいないのです」
「あぁ、それはあいわかった」
「それと、出来れば侵入者たち全員の身柄も回収していっていただければ、と。我が領地に1000人もの侵入者を捕らえておくようなキャパはありません」
最近、領地内に人が増えてきた影響で犯罪の方もちらほら増えてきてしまっているのだ。
そんな状況下のせいで既に牢屋の方はパンパンなのだ。
このまま侵入者たちを回収してくれないと、上から土の方をかけていくことになってしまう。
「それも当然だな。王家の方でしっかりと彼らは回収させてもらおう」
「えぇ、当然のことです。それではよろしくお願いします」
僕は国王陛下の言葉を聞き、ひとまず頭痛の種が一つなくなったことに安堵しながら謝礼の言葉を述べる。
なんか、ついさっきにこんなの小さな悩みだったんだなぁ、思わせてくれるような大事が来た気もするが、それは気にしないこととしよう。
一歩前進した!よぉし!
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