第4話 飼育未経験の新人たちが新しい発想をもたらす

 オルカの飼育プールでは新人トレーナーの教育が進んでいた。今年の新人は高滝サトミ、馬舘フウカ、村上アミの3人。水原はランド内の従業員を整理解雇しつつも、3人の新人を新たに雇い入れていた。

 新人はバレエダンサー、チアリーダー、シンクロナイズドスイミング経験者で、いずれも、飼育の未経験者であった。


 この日、サトミはオルカの背中にライドしていた。事前にサツキが教えた通り、ゆっくりと立ち上がりバランスを取る。しかし、サトミは、初回のライドにもかかわらず、オルカの背中でターンを行った。バレエのターンである。さらに、続けて軽くジャンプして、ポーズを決めた。


 サツキはうっかり見とれてしまった。しかし、事前に打ち合わせていない動作である。あとでしっかりとしかりつけた。

 サツキはふと思った。今まで高く飛ぶことだけを考えていた。新しい発想が必要なのかもしれない。

 

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