第三章:迫り来る脅威 第4話:仲間たちとの再会

 救出作戦の前日、幸明のもとに思いがけない援軍が集まってきた。

 これまでの旅で出会い、絆を結んだ人々だった。


 森を守った村の若者たち、川を浄化した町の人々、絶滅危惧種を保護した活動家たち。

 彼らは幸明と月白の窮地を聞きつけ、自発的に集まってきたのだ。


 「幸明さん、今度は私たちが恩返しをする番です」と、かつて森林伐採に悩んでいた村の青年が言った。


 「月白さんは、私たちみんなの希望の象徴です。絶対に取り戻しましょう」と、川の浄化に尽力した女性が続いた。


 幸明は感動で言葉を失った。

 彼らの姿に、これまでの旅の意味を改めて実感する。


 宗松上人も穏やかな笑みを浮かべた。

 「見たか、幸明。お前たちの蒔いた種は、こんなにも大きく育っている」


 集まった仲間たちと共に、幸明は最終的な作戦を練り上げた。

 それぞれが持つ知恵と技術を結集し、月白を救出し、同時に権力者たちの企みを暴く計画だ。


 夜が更けていく中、幸明は決意を新たにした。


 「みんな、ありがとう。必ず月白を取り戻し、そして自然との調和を取り戻すんだ」


 仲間たちは力強く頷いた。

 彼らの目には、強い決意の光が宿っていた。


 明日、彼らは権力の中枢に挑む。

 その結果が、この国の、そして自然との関係の行く末を決めることになるだろう。


 幸明は静かに祈った。

 「友月、見守っていてくれ。私たちの旅は、新たな段階に入ろうとしている」

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