第二章:各地での活躍 第3話:絶滅危惧種の保護

 幸明と月白の旅は、険しい山々が連なる地域へと続いた。

 そこで彼らは、ある絶滅危惧種の動物を保護しようとする地元の人々と出会った。


 その動物は、この地域にしか生息しない珍しいリスだった。

 しかし、開発の波が押し寄せ、その生息地が脅かされていたのだ。


 「このままでは、この子たちの居場所がなくなってしまう」と、保護活動をしている女性が悲しげに語った。


 幸明と月白は、保護活動に加わることを決意。

 しかし、開発を推進する企業との対立は避けられなかった。


 「そんな小さなリスのために、町の発展を止めるのか?」と、企業の代表は冷ややかに言い放った。


 膠着状態が続く中、月白が動き出した。

 月白は、リスたちの生息地に向かい、そこで静かに目を閉じた。

 すると、月白の体から発せられた光が森全体を包み込み始めた。


 その光に導かれるように、多くのリスたちが姿を現した。

 そして驚くべきことに、リスたちは人々に近づき、まるで助けを求めるかのように振る舞い始めたのだ。


 この光景を目の当たりにした人々は、リスたちの存在の重要性を実感。

 開発派も、このままでは取り返しのつかないことになると気づいた。


 話し合いの結果、開発計画は一部変更され、リスの生息地を保護区域とすることが決定。

 さらに、エコツーリズムを推進することで、地域の経済発展とリスの保護を両立させる案が採用された。


 「幸明さん、月白さん、あなたたちのおかげで新しい道が開けました」と、保護活動をしていた女性が感謝の言葉を述べた。


 幸明は微笑んで答えた。

 「いいえ、これは皆さんの心が開いたからこそです。これからも、リスたちと共に歩んでいってください」


 リスたちを見守りながら、幸明と月白は次の旅路へと歩み出した。

 彼らの行く先には、まだ多くの課題が待っているはずだ。

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