第二章:各地での活躍 第2話:川を救う
幸明と月白が次に訪れたのは、大きな川のほとりにある町だった。
しかし、その川の様子は異様だった。水は濁り、悪臭を放っている。魚の姿もほとんど見えない。
町の人々に話を聞くと、上流に新しく建設された工場から有害な廃水が流されているとのことだった。
「魚が取れなくなって、生活が苦しいんです」と、一人の漁師が嘆いた。
幸明は工場の経営者と話をつけようとしたが、門前払いを食らってしまう。
「環境なんてどうでもいい。利益が出ればそれでいいんだ」と、経営者は冷たく言い放った。
途方に暮れた幸明だったが、月白が何かを感じ取ったように川の方へ歩き出した。
川辺に着くと、月白は静かに目を閉じ、体から光を放ち始めた。
その光は川面に広がり、水が少しずつ浄化されていく。
驚いた町の人々が集まってきた。
光景を目の当たりにした彼らの中から、「川を守らなければ」という声が上がり始めた。
幸明はこの機会を逃さず、町の人々と共に川の浄化プロジェクトを立ち上げた。
工場に対して浄化設備の設置を要求し、同時に町全体で川のごみ拾いや水質調査を始めた。
最初は反発していた工場も、町全体の団結した姿勢に押され、少しずつ協力的になっていった。
数週間後、川の水は徐々に澄んでいき、魚も戻ってきた。町には活気が戻り、人々の笑顔が増えた。
「幸明さん、月白さん、本当にありがとう」と、町長が深々と頭を下げた。「これからは私たちの手で川を守っていきます」
幸明と月白は、希望に満ちた町を後にした。しかし、彼らの旅はまだ続く。次はどんな課題が待っているのだろうか。
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