オオカミの坊や達

第七話 この子達って…

 現在、僕の数十メートル先にはこげ茶色の毛をした子オオカミ(?)二匹が横たわっていた。……どうしよ。

 そろぉ~…。ゆっくり近づいて観察してみる。ツンツン。つついてみたが、まだ起きる気配はない。死んでは…いないよな。

 え~っと、大きさは柴犬ぐらいか。かなり大きいな。フサフサの毛と、口の間からちらりと覗く小さな犬歯。やんちゃな子オオカミっぽさを演出してる。なんか普通にぐっすり眠っている感じだ。ほんと、どうしてここに…。


《とりあえず寝心地のいいところに寝かせてあげてはどうでしょうか》

「え。寝心地のいいところって、僕の寝袋…?」


 思わず顔をしかめる。この子達には申し訳ないが、正直寝床に野良犬を寝かせるのはいやだった。だって臭いし。


「なんてこと言ってられるかあぁぁぁ~!!」

《?! 急に何ですか?!》


 よ~しよし、ちょーっと移動するぞ?よいしょっ。う。おも…


 よっこらせっと。二匹とも運び終えた!しっかし重かったなー…。さすが柴犬サイズ…………。あ!そうだ。水、汲んできとくか。


「ヘレナ、【園芸】スキルに犬のお皿なんかは~…」

《ありませんね。スキルのレベルを上げたら手に入るかもですが》


 さすがにないよな~。う~ん、じゃあ、


「バケツ!バケツならあるでしょ!頂戴っ!」 

《はい、どうぞ》 「おぉ~。ありがとう!」


 渡されたバケツは、プラスチックなんかではなく、木でできた古風な感じのやつ。

流石異世界といったところだ。


        ――――――――――――――――――――


 小川から汲んだ水――汲む時耕は泉のことが一瞬頭によぎり少しだけためらった――が入ったバケツをオオカミクン?チャン?たちの傍らに置いてから、僕はトマトの収穫をした。とはいっても四株だけだからすぐ終わったのだけど。

 収穫したとまとのサイズは大玉くらい。ムシャってかぶりつきたい大きさ。正直今すぐに食べたいけど、ここは我慢。まずは川で軽く洗ってくるとするか。よっこら―


 ――パシャパシャ

 !? 驚いて後ろを振り返る。そ、そうだ!ワンチャンいるの忘れてた!

 一匹はまだバケツの水を美味しそうに飲んでいて、もう一匹は自分の口の周りに着いた水滴をなめて、物欲しそうにそれを見ていた。

 ほっ。川の水は美味しいようだし、襲ってくることものなさそうだし、ほんとによかったぁ…。

 柴犬サイズとはいえ小さくても鋭い犬歯と、フサフサでつややかなけが、オオカミ感を際立たせていて少し怖い。襲ってきたらどうしようとか考えるに決まってる!

 ……にしてもこの子達すごいなぁ。こんなに近くにいたのにさっきまで起きてることに気が付かなかった。特殊能力でも持ってるのではないかと思ってしまう。

 いや、さっきのは僕がとろいだけかぁ…ぁぁぁあ!この子達僕がここにいること気づいてるのか?!え。もし気づいてなかったら…食、われる…。

 それに気づいてサーっと血の気が引き、その場から急いで離れる。が――


《お~い。フェンリルの坊や達~》

「え?!ちょいヘレナ、そんな大きい声!ってはぁ?!フェンリル?!」


 ヘレナの声に反応して、オオカミの子、いや、フェンリルが駆け寄ってくる。


《人間がここにいるの、分かってましたよね~》

「ワン!」 「ワン?!ね、ねぇヘレ―」


 戸惑う僕をそっちのけで、ヘレナはフェンリル(!?)と話し始める。

 てか話せるの?!


《耕様、この子達、お腹がすいてるみたいですよ!》

「え、いや、でも」

 《ほら早く!何か用意してください!》

「えぇぇぇぇぇぇ。わかったよぉぉ!!」




◇◇気まぐれあとがき◇◇

すんごい適当な終わらせ方ですみませんでした!

アドバイスあればお願いします!応援、星、くれたら嬉しいです(当たり前か…)!

以上!それではまた!

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