第3話 アシストオーブ 「ヘレナ」(2)

 モニターは案の定、スマホやタブレットのようにタップで操作することができた。

 設定の内容は、なんというかほぼ取扱説明書だった。

 まず初めに設定することが二つ。

 一つはメニューの表示方法。ヘレナに言って表示してもらうか、オーブのボタンを押して表示するか(この場合ボタンを押してすぐに現世へ戻ることはできなくる)、どちらも使うか。とりあえずどちらもにしておいた。

 二つめは獣魔がなんたら。よくわからなかったのでこれもまたとりあえずOFF。

 あとはまあ、ほとんど説明。メニュー画面がなんたら~、ヘレナはこうたら~。

 

 説明を読んでいる途中、気になることがあったのでヘレナに聞いてみた。

「ヘレナみたいなアシストキューブって、何個?何体?もいるの?ってかそもそも、ヘレナってどうやってしゃべってんの?見た感じ機械とか内蔵してるようでもないしさぁ~。あ!もしかして魔術!?」

《…せつめいを 読んでください》

「! ごまかした!」

《...........セツメイヲ ヨンデクダサイ》

「はぁい」   結構気になったが、ヘレナがちょっぴり怖かったし、異世界だからと納得することにした。


——————————————————————————————————————  

 説明を読み終えて、僕は自分のステータスをみていた。…何とも言えない表情になってしまう。運動系のスキルがかなり低いのだ。

 ズーン...........

《そっ、そうです。スキルなど見られてはいかがでしょうか…!》

「ヘレナに気を使われた」ズーン…

《失礼ですね。もう少し高い所へ行って落下して差し上げましょうか?そうすれば私は壊れあなたは現世へ戻れなくなりますが》

 そう言ったヘレナの声は冷酷そのものだった。

「はいはいごめんなさい

 ってかヘレナはそう簡単に壊れないでしょ。説明に書いてあった」

 そう言ってスキルを確認しようとする。

《まぁそうですが—》

「え!」 《な、なんですか!?》

「ぼ、僕のスキル、園芸ガーデニングと信頼…?」

《はい、そちらが耕様のユニークスキルですが》

 え、えぇぇ?どっちもピンとこない。

「ヘレナ、説明してくれない?」

《そ、そうですねぇ、まず、

 園芸:食べたことのある植物を、一から育てることができる

 信頼:他種族に渡りいろいろな生物の信頼を得やすくなる

 といったところでしょうか…》

 へ、へぇ…。信頼のスキル、悪用できそう…

 じゃなくて!…そうかぁ、かなり便利スキルそうだけど、今のところ使い道はないなぁ…あ!でも、園芸があれば自給自足とか…


 想像に胸が膨らむ耕であった。

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