いつの時代も変わらない
さて、そもそもなぜ特別補修教室というようなクラスがあるのだろうか?
僕の母校でもあるシモン学院は成績によってクラスが割り振られ、天才秀才が集まる特進教室と一般的な才能を持つ通常教室、そして件の特別補修教室がある。
そして学園内では特別補修教室は落ちこぼれ、通常教室よりも下の成績を取った生徒たちと認識されている
あくまでも、表向きの事情しか知らない人間には。
であるならば特別補修教室の正体とは一体何なのだろうか。
わざわざはぐれもの落ちこぼれを一箇所に集めて何をするのだろうか、臭いものに蓋をするかのように、見込みのない生徒を放置するのだろうか?
だがそのような行為を僕の
こんな僕すら気にかけるような彼女がそのようなことをする可能性は低い。
さて長ったらしい謎解きはここまでにして、結論を話そう。
――――天才を超えうる奇才の集まり。
それ以外の表現する単語などあの教室の生徒にはないだろう。
――――――――――――――――――――
アルビオン王国の気候特有の、そよそよとした涼しい風を感じながら僕は校舎の中にはを歩く。
僕がこうして意味もなくフラフラと歩いているのには意味があり、何も考えないで歩いているわけではない。
それはかの生徒、カズローチャを探しているからだ。
セフィラに彼のことを詳しく教えてもらった結果により、僕は彼と話し合うという選択肢が思い浮かんだ。
なぜ僕がカズローチャを一撃で殺せなかったのか、その理由は判明したが、それはそれとして彼の問題を解決しなければならない。
今の僕は教師として働いているのだから、生徒の問題を解決するのも仕事と言えよう。
お節介と言われたらそれまでなのだが。
そうして僕がふらふらと校舎内で歩いていると、目的の人物を見つけた。
怪我の跡が多く残ったの彼の肌はよく目立ち、一瞥しただけでもカズローチャだとわかった。
そして僕が彼に声をかけようとしたところで、カズローチャは走り出した。
道行く生徒に方がぶつかることを気にせず両足を動かして、全速力で駆け抜ける。
いきなりのことだったので少しばかり驚愕したが、すぐに冷静になり僕も走ってカズローチャ追いかける。
「すまん、少し通るぞ!」
そうして少しの距離を走って追いかけた後に見た光景は、僕が失念していた光景だった。
複数人の通常教室生徒、それに特別補修教室生徒が二人。
片方は今にも刀を抜こうとしている大八洲生まれであろう、
片方は眉すら動かしていない幾何学的な角を頭から生やした
しかしそんな説明よりも先に説明する必要がある。
打撲痕。
まるで殴られたかのような打撲痕が二人にはあった。
「なにやってんだお前らぁぁぁぁぁぁ!!!」
その光景を見たであろうカズローチャは、二人を取り囲むように立っている生徒を蹴り飛ばした。
僕は自身が考えなしということを思い知らされた。
彼ら彼女らが思春期の子供という事と、学校のような閉鎖空間であれば当然、いじめが起きるという事を。
――――――――――――――――――――
あとがき
名前:カズローチャ・マカラジャ
種族:
別名:「
役職:シモン中央学院2年生
備考:実家は鍛冶屋
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