第4章 - 時空を超えた戦い

「ジョセフィーヌ、次はどこへ向かうんだ?」

 カプテン・ブラックが尋ねる。

「そうね、私としては平和な星でゆっくりしたいんだけど……」

 その時、ベガバスターの警報が鳴り響いた。

「緊急事態発生!未知の星系から、強力なエネルギー反応を検知!」

「なんですって?!」

 ジョセフィーヌが叫ぶ。

「これは、時空の歪みのパターンだ。タイムトラベラーの出現か?」

「タイムトラベラー?未来から来た人ってこと?」

「ああ、だが彼らの目的は平和ではない。時の秩序を乱し、歴史を変えようとしているのだ」


 そこに、未来から来たという兵士が現れた。全身が銀色の装甲に包まれ、手には見たこともない武器を持っている。

「私はキリアン、時間防衛軍の隊長だ。ジョセフィーヌ、我々の仲間になれ。君の力が必要なんだ」

「私の力? 何のことよ」

「君は選ばれし者だ。時空を超える能力を持つ、特別な存在なんだよ」

「は? 私が特別? 冗談でしょ」

「冗談じゃない。君は時間を操る力を秘めているんだ。その力があれば、我々は歴史を正しい方向へ導ける」

「ちょっと待って。私は海賊であって、ヒーローじゃないわ。そんな大それたことできるはずないじゃない」

「ジョセフィーヌ、私はカジノでの君の活躍を見ていた。君なら必ずやり遂げられる」

「……本当に、私にそんな力があるの?」

「ああ、疑うことはない。さあ、私に付いて来てくれ」


 こうして、ジョセフィーヌは時間防衛軍に加わることになった。未来の世界へとタイムスリップする。

「これが、22世紀の地球……」

 目の前に広がるのは、超高層ビルが立ち並ぶ、銀色に輝くメトロポリスだった。

「ようこそ、ネオ・トーキョーへ。ここが我々のベースだ」

「すごい……。まるで映画の世界みたい」

「だが、この平和も長くは続かない。我々の敵、タイムジャッカーが暗躍しているんだ」

「タイムジャッカー?」

「奴らは歴史を改変し、自分たちの理想の世界を作ろうとしている集団だ。過去に介入し、重要な出来事を変えてしまうんだ」

「なるほど、それで時間防衛軍が必要になると」

「そう。我々は歴史を守るため、タイムジャッカーと戦っているんだ」


 そこへ、一人の少女が駆け寄ってきた。

「キリアン隊長、非常事態です! タイムジャッカーが、過去への干渉を開始しました!」

「何だと?! どの時代だ?」

「西暦2020年です。パンデミックが発生した年です」

「くっ、奴らはパンデミックを悪化させ、歴史を大きく変えるつもりか」

「隊長、すぐに出撃を!」

「よし、ジョセフィーヌ、君も来てくれ。君の力が必要だ」

「わ、わかったわ。でも、どうやって戦えばいいの?」

「君の時間操作能力を使うんだ。精神を集中して、自分が時間をコントロールしていると信じるんだ」

「ええと、こうかしら?」ジョセフィーヌが目を閉じて手を伸ばす。すると、不思議なことに周囲の時間が止まった。

「で、できたわ!時間が止まったみたい!」

「やるじゃないか。君ならできると信じていたよ」

「隊長、敵の姿を確認!」

「よし、行くぞ!ジョセフィーヌ、時間停止を解除しろ!」


 時は再び動き出し、ジョセフィーヌたちは敵と対峙する。

「貴様ら時間防衛軍め、我らの野望を邪魔しおって!」

 タイムジャッカーの一人が、ジョセフィーヌに向かって レーザーガンを発砲する。

「ジョセフィーヌ、私が盾になる!」

 キリアンが彼女の前に立ちはだかり、銃撃をはね返す。

「キリアン!」

「私は大丈夫だ。さあ、君の出番だ! 時間加速を使うんだ!」

 ジョセフィーヌは再び精神を集中する。

 すると、彼女の周りだけ、時間の流れが速くなった。

「え? マジ? マジでできちゃった?」

 彼女の動きは目にも留まらぬスピードとなり、敵を次々と撃破していく。

「これが、私の時間加速……!」

「な、なんてスピードだ!」

「く、くそう!こんなガキに!」

 タイムジャッカーたちは、彼女の前に為す術もない。


「私もやるわ!」

 時間防衛軍の少女レイナが、念動力で敵を弾き飛ばす。

「レイナ、合体攻撃よ!」

「OK!」

 ジョセフィーヌとレイナは手を組み、パワーを集中する。

「時空コンビネーション!クロノ・ブラスター!」

 二人から放たれた強力なエネルギー波が、タイムジャッカーを直撃した。

「ぐわあああ!」

「や、やられた!撤退だ!」

 敵はあっけなく敗走していった。


「やったわ! 私たち、勝ったのね!」

 ジョセフィーヌが歓喜の声を上げる。

「ジョセフィーヌ、君の活躍があってこその勝利だ。本当にありがとう」キリアンが彼女の肩に手を置いて言う。

「いえいえ、私一人の力じゃないわ。キリアン、レイナ、そして時間防衛軍のみんなの力があったからよ」

「謙遜することはない。君は特別な存在なんだ。これからも、時の平和を守るため、共に戦おう」

「ええ、約束するわ。私、ジョセフィーヌは、時空を超えて悪と戦う正義の海賊になる!」


 こうして、ジョセフィーヌの時間防衛軍での戦いが始まった。彼女の新たな冒険の幕が上がるのだった。

「でも、ちょっと待ってよ。私、まだこの時代の言葉に慣れてないんだけど」

「ジョセフィーヌ、それは時間移動の副作用だ。すぐに慣れるさ」

「あ、そう。じゃあ、頑張って覚えるわ。ハイ、ハイ、フューチャー!」

「それはもう古い言葉だよ。今は『グッド、グッド、トゥモロー!』だ」

「え?そ、そうなの?じゃあ、グッド、グッド、トゥモロー?」

時の流れに翻弄されるジョセフィーヌと、彼女を助ける仲間たち。そんな彼らの姿に、未来への希望が見えるのだった。


- To be continued? -

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