第16話
「ん〜〜、はぁ……。」
昨日はたっぷりと魔力を使ったお陰か、今日は身体が重く感じない。それでも体内魔力は最大まで溜まっているから、それを減らす為に【スライム召喚】の祝福の力を使ってスライム種を召喚と送還を使用して魔力を減らす。
「やっぱり魔力の最大上限が増えてる。」
先ほど召喚と送還を繰り返したが、昨日ならこれでも最大魔力の1割の魔力が消費されたはずだ。
だが、今日は0.5割くらいしか減っていない。それに昨日よりも魔力の回復速度も増した気がする。
これから本格的に【スライム召喚】を多用して魔力を使えば使うほどにどんどん最大魔力と魔力回復速度が増加していくと思う。
「僕が寝てる間にスライムたちに何かをさせるのがいいかな?それはそれで魔力関係の成長に繋がりそうだけど。」
何か色々悩ましいが、丁度魔力の消費に役に立つ素材を生成することが出来るスライムもいるのだし、父さんに相談してどこかでスライムたちに素材生成をさせよう。
ポヨンポヨンとベットの上で起き上がった僕の隣にリムが来た。
「おはよう。」
『マスター、おはよう!』
ポヨポヨと抱き上げ膝に乗せたリムを撫で回して過ごしていると、僕の専属メイドのリタがやって来た。
「おはようございます、カナタ様。」
「リタもおはよう。」
リタが持って来た水桶で身だしなみを整えると、リタに着替えさせられる。そうして準備が終われば朝食を食べに食堂に向かう。
「ミスズ姉さん。今日は用事はない?出来れば付き合って欲しいんだけど。」
「今日から三日間は屋敷にいる予定だ。何かあるのか?」
「うん。召喚するスライムたちがどれだけ戦えるのかを見たいんだ。父さん、練兵場を使ってもいい?」
「構わないぞ。だが、カナタが向かう事を伝えておいた方がいいな。それは私が伝えておこう。」
「ありがとう!」
そして、朝食を食べ終えた僕は姉さんの準備が終わるまで待ち、公爵家の屋敷のすぐ側にある騎士や兵士たちが利用している練兵場へと向かった。
「それでカナタ。私に何をして欲しいんだ?」
「ミスズ姉さんには僕が召喚するスライムがどれくらいのモンスターとなら戦えるのかを見てほしいんだ。それとリムに訓練を付けてあげて欲しい!」
リムは今の僕が召喚可能な召喚リストにあるスライムたちの能力を全て使うことが出来るオリジンスライムだ。
そんなリムはまだ戦闘経験もないし、折角ある能力も使い熟してはないはずだから。だからこそ、姉さんに手加減して貰って戦えば戦闘経験も得られるはず。僕はそのことを姉さんに伝えた。
「それなら構わないぞ。リム、手加減するが容赦はしないぞ。お前が弱いとカナタが危険になるんだからな。」
『言われなくても分かってるもん!マスターはボクが守るんだからね!!』
リムからの念話は僕にしか届かないから、リムの代わりに僕が姉さんにリムもやる気満々であることを伝える。
「そうでなくちゃな。」
『マスターのお姉さんだろうと倒しちゃうからね!』
姉さんから受けた初めての挑発にリムは本気で戦うだろう。でも、姉さんはAランク冒険者だ。そんな姉さんに今のリムでは勝てないだろう。
でももしかしたら勝てるかも?と言う気持ちがない訳ではないが、もしリムが姉さんに勝てるのなら何かしらの一回限りの何かをするしかないと思う。
姉さんと話して歩いていると、公爵家の騎士や兵士が訓練をする練兵場へとたどり着いた。
「ミスズ様、カナタ様、よく来てくれました。カナタ様が使用するスペースはあちらです。今から案内しますので付いてきてください。」
「あっちだね。ありがとう。」
僕と姉さんは練兵場の入り口前で待っていた騎士の案内でこれからスライムたちの戦闘能力を確かめる為の場所へと移動していく。
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