緑に溺れる

御厨カイト

【十首連作】緑に溺れる

朝露の消える木立こだちに初夏の風そよぐ緑の鮮やかな色


夏風に踊る若葉の煌めきは新たな季節告げる囁き


古書店の窓辺に飾る葉の脈が君の記憶をふと呼び戻す


君と共歩く舗道で空の下さりげない手の温もり感じて


風鈴の音に誘われ縁側でしずかな葉の動きが涼し


日差し浴び眩き葉先に透明な光の舞台が幕を上げた


柔らかき日差しに揺れる若葉の香 夏の足音微かに聞こゆ


そよ風の運ぶ香りに葉が揺れど夏の訪れ淡く囁く


夕暮れ時灯りの中で見える葉の影がそっと一日を締める


バス停のつたの影で君と僕見つめる空の青さが広がる



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緑に溺れる 御厨カイト @mikuriya777

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