第59話

「ユリア様! Sクラスになりました!」

「リーズ、凄いじゃない。おめでとう!」

「有難う御座います。えっと、ユリア様は、Aクラス、ですね」


少し言いにくそうにしているリーズ。


私は大満足なの。

点数もAクラスの中間よりやや上。


さすが私!

素晴らしい結果を出せたと思うの。


「えぇ、そうね。ふふっ。気を遣わなくていいわ。私は充分満足だもの。嬉しくて仕方がないくらいよ? あぁ、でもリーズとクラスが離れて寂しいわ」

「私も寂しいですっ」

「クラスが離れてもこれからも仲良くしてほしいわ」

「私もです!!」

「じゃぁ、行きましょうか」


私達は二年生の棟へ向かった。


「じゃぁ、また後でね!」


私達はクラスが違うので手を振って別れた。Aクラスはリーズを含めた数人が入れ替わった感じだけれど、あまり変わっていないようで少し安心したわ。


リーズの方が大変かもしれない。

だって、あの令嬢達がいるクラスだし!


今日ばかりは授業がないので挨拶だけして帰ることになっている。あ、忘れず食堂に昼食を取りに行くわ。



こうして私は食堂で軽食を持ち帰り、寮に戻った。このままパンを持ってあの部屋に行けばいいよね。


カップや皿をしまう戸棚もあったし、あっちで食べていれば師匠もくるはずよね。軽い気持ちで私は鍵であの部屋に入ると、そこには積まれた本がテーブルの上にあった。


……クッ。分かっていたわ。


そうよね、今の私に必要な知識なのよね。私は泣く泣くパンを齧りながら本に立ち向かった。

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