第17話
翌日の朝、疲れ切ったリーズが登校してきた。
あの後の話を聞いてみると、ヨランド様は付きっ切りで勉強を教えてくれたようだ。そしてテストまでの期間は毎日図書館で勉強する事になったらしい。
「ユリア様も一緒にと言っていました。是非!」
「え、ごめんね? 止めておくわ。色々と用事もあるし。リーズは優秀だから目を掛けられているのね。素晴らしい事じゃない。頑張って?」
「えーん。でもね、私よりユリア様に興味があるっぽいんだけどなぁ。私はユリア様を誘うためだけの要員なのかも!?」
「えぇ? だって気にされるような出会いは無かったわよ? まぁ、でも、折角ヨランド様に教えて貰っているのだし、リーズは頑張るしかないわ」
生徒会を断っても諦めて貰えないのはちょっと可哀そうな気もするけれど、仕方がない。私はヨシヨシと慰めながら話を聞いた。
どうしようかしら。
テストまでのあと二日。リーズと過ごす予定にしていたけれど、空いてしまったのよね。
仕方がないので寮で一人魔法の勉強に取り組む事にする。
分からない所を纏めてジャンニーノ先生に手紙を送ると恐ろしい早さで返事がくるの。
先生、暇なの!?
そうして試験はやってきた。
今回も手を抜く事に抜かりはないわ。前回のテストでも満点確実だったけれど、今回もそのまま答えれば全問正解になりそうだわ。
私はあえて幾つかを空白にしたり、間違った単語を書いて提出する。
私の予想だと二十番以内には入っていないはず。
「リーズは書けたかしら?」
「うん! おかげさまでばっちり書けたわ。これは十番以内も目じゃないかも」
「ユリア様は書けた?」
「まぁまぁかしら?」
二人で試験の話をした後、食堂で食事を取り、寮へと帰る。後はテストの結果が張り出されるのよね。その後、長期休暇に入る。
貴族たちは舞踏会シーズンのためここから忙しくなるの。
でも、私達はまだ成人になっていないので学生である令嬢達はこぞってお茶会を開催する。
もちろん私は貴族の知り合いが居ないのでお茶会に呼ばれる事はないし、各家主催の舞踏会の参加もない。
唯一強制参加となっている王家主催のお茶会をどうやって欠席するか、よね。
今から頭が痛いわ。
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