結界
僕が発動させた結界。
その中にミレージャはしっかりと閉じ込められ、逃げることが出来なくなる。
「本当に、何処までご存知なのですか?」
そんな中で、ミレージャは素直に困惑の言葉を漏らす。
まぁ、それもそうなるだろう。
自分の奇襲は完全に読まれているわ、逃げ道を塞ぐためのものは前もって潰されているわ、で……本当に徹底的に何もかもが潰されているわけだからね。
「大したことは知らないさ」
その上で。
「ただ、何があってもいいように準備をしていただけ」
僕は何も知らないという態度と共に、口を開く。
自分の持っている知識チートのことなど、敵にバラすはずもない。
これは僕の持つ切り札だからね。
「君の奇襲もバレバレだったしね」
「ふふっ……言ってくれますね」
奇襲に対応できたのはお前が弱いから。
この結界も日ごろの備え。
そんな態度を僕は貫き通す。
「それでは、これならどうですか?」
そんな僕に対して、ミレージャは不敵に笑みを浮かべながら、ゆっくりと片腕を持ちあげる。
「君が用意周到なように、私の方も用意周到なのですよ」
「……何をするつもりだ?」
そんなミレージャを前にして、僕は眉をひそめながら警戒心を込めた言葉を口にする。
「身一つで、私が来ることはありません。勝負とは、始まる前から決まっている。己が勝利出来る状況をあらかじめ作ってから、動くべきなのですよ」
そんな僕を前に、ミレージャは不敵な笑みと共に言葉を並べる。
「さぁっ、爆破しなさいっ!」
そして、その末にミレージャはかっこよく指を鳴らすと共に、大きな声をあげる。
「……」
……。
…………。
「……」
……。
…………。
「んっ?」
だが、何も起きなかった。
散々とイキり散らかした末、ミレージャの行動は何も起こすことなく消えていった。
「な、何故っ!?」
その現状を前に、ミレージャは驚愕の声を上げて、慌て始める。
「ハッ」
そんなミレージャを見て、さっきまでの態度は何処へやら、僕は全力で彼を鼻で笑ってやるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます