リーベは
誘惑世界。
それは設置型の巨大な魔法陣によって発動される大魔法であり、対象者を無限の夢の中へと陥れる。
「生け捕り完了、っと」
精神干渉系統の魔法を得意とし、その対策もバッチリなオルドーを除いたメッゾとフィーネの生け捕りに成功した僕は満足げに頷いてその二人の首根っこを掴んで持ち上げる。
「戻るかっ」
三人を吹き飛ばし、学園からは離れていたところで戦っていた僕は生け捕りにした二人をもって学園の方に戻ってくる。
「学園長。二人を頼むよ」
「うむ。了解じゃ」
そして、学園の方に戻ってきた僕はせっせと学園の崩壊で怪我を負った生徒たちのことを回復して回っていた学園長の方にメッゾとフィーネを預ける。
「大丈夫だった?」
その後に、リーベの方に向かっていく。
「うん!大丈夫……!ちゃんと僕は勝ったよっ!」
リーベの元にやってきた尋ねた僕の言葉に対し、リーベは笑みと共に力強く頷く。
そんなの彼の背後には斬り刻まれた二人の遺体が存在していた。
「それが良かった。けがとかもない?」
「うん、ないよ」
しっかりと勝ってくれていたリーベに僕はほっと息を漏らす。
問題ないとは思っていたし、戦闘の様子も横目で確認していたから大丈夫だとは思っていたけど……何か、怪我とかしていないかとか、色々と心配だったから良かった。
「で、でも……僕の方も生け捕りにした方が良かったかな?殺しちゃったんだけど……」
安堵している僕の前で、リーベは不安そうに生け捕りの方が良かったかを尋ねてくる。
「いや、大丈夫だよ。生け捕りにするのなんて二人いれば十分だから。まずは、勝つことが一番だよ」
生け捕りにこだわって負けていたら世話ないからね。
「それよりも、精神的なものとかは大丈夫?初めてじゃない?人と戦うの?」
そんなことよりも、僕としてはリーベの方が心配だった。
肉体的には平気らしいけど、精神面ではどうだろうか?
「大丈夫っ!グラースに頼まれたことだからねっ」
「そ、そっか……」
だが、そんな僕の心配を退けるようにリーベは実に頼もしく頷いて見せる。
うーん、返り血を浴びた姿のまま満面の笑みを浮かべる美しい少女のような艶やかな少年って狂気的で背筋がゾクッとするような美しさがあるな。
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八月に入り、夏休みにもなったということで新作です!
『ゲームのモブに転生したワイ、ルンルン気分でゲームの世界を観光していたら、落ちぶれた悪役令嬢を拾ってしまう』
『https://kakuyomu.jp/works/16818093082189695855』
自信作なので、読んでくだせぇっ!
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