瞬殺
自分の前に立つ黒髪のオルドー。
青髪のメッゾ。
ピンク髪のフィーネ。
それぞれ全員がゲームにも出てきた強者である三人を前に、僕は悠然とした態度で近づいていく。
「……ったく。ただの餓鬼じゃねぇな」
そんな僕を前に、最初は侮りの言葉を口にしていたオルドーが忌々しそうに言葉を吐き捨てると共に警戒心を持って僕と向き合い始める。
「何者だ?お前」
「いや、お前が知らないわけないじゃん」
「……こういうのは様式美だろうがよぉ」
真面目腐った表情で告げるオルドーの質問に対してマジレスで返した僕を前に、彼は心底忌々しそうな表情で言葉を吐き捨てる。
「くだらんことをしているな」
「まったくよ」
だが、そんなオルドーに呆れた態度を見せるのは彼の仲間であるはずのメッゾにフィーネだった。
そんな彼らの対話を見て。
「おいっ!?何でお前らがはしごを外すんだよっ!」
「……恥ずかしい」
「どういうことやねんっ!?」
おぉ……本物だ。
僕は密かに内心で感動していた。
彼らのやり取り。それはまさにゲームのままだった。
「さて、と……」
とはいえ、そんなに感動ばかりしているような時間もない。
僕はこれからやらなくてならないことが五万となる……恐らく、今回の襲撃はこの五人組だけでは終わらない。
「早々に潰す」
僕は短距離転移魔法を発動して一番厄介な性能をしているオルドーの背後へと転移。
「……ッ!?」
転移という中々使用者のいない高難易度の魔法による奇襲。
「まぁ……」
それに対して、オルドーはこれまでの経験則を元に一切の無駄のない動きで、防御姿勢を通る。
「沁みついた習慣というのは中々抜けないよね」
だが、その防御姿勢。
それはこれまでの経験により、五万と繰り返されたような動きであり、暴食の魔法を持つ僕に対するようなものではなかった。
「あがっ!?」
オルドーが発動させた結界魔法を暴食の魔法で楽に無効化した僕はそのまま彼の頭の自分の掌で掴む。
「吹き飛べ」
そして、そのままオルドーの至近距離から爆発魔法を直撃させて彼の頭を消し飛ばす。
「……」
頭を失って生きていられる人間などいない。
オルドーはその体を倒して膝を地面につける。
「何も残さん」
そこから更に、僕はオルドーの体に何か仕込まれていることまで危惧して、彼の遺体をそのまますぐに暴食で食らうことによって消してしまう。
「後二人」
オルドーは瞬殺した。
「ちぃ……っ!」
「想像以上なんだけど」
そんな僕は残りの方にも視線を向けるのだった。
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