学園生活
学園生活は概ね問題ない。
基本的にはリーベと共に行動しながら、たまにレイシアなどの他のクラスメートと交流する。
孤立することなく友達と楽しく学園生活を送れている。
「このように1変数関数の積分を繰り返す積分を累次積分という。今、見せている長方形領域上の積分についてはxとy、そのどちらかで先に積分してもいい。まぁ、要は計算しやすい方を選ぶわけだな。別にこんなことする必要はないが、テストとかだと順番を明確にするため、積分のしやすさを弄ってある。ここの選択はちゃんと出来るようにな。ここは初歩の中の初歩であると言える。必ず全員が出来るようになってもらうからな」
また、授業面等でも問題ない。
基本的に行っているのは簡単な問題であり、高校生としてしっかりと教育を受けてきた僕にとって、この学園で学ぶことはさほど難しくない。
苦戦することはほとんどないと言っていい。
「このヘーロイの攻城戦によって、ミンスク王国は滅び、その王家のほとんどが処刑されている。処刑を免れたのは何とか燃え盛る国より逃げおおせた数名の王族だけ。ただ、それらの人物さえも今後、歴史の表舞台に立つことなく、その全員が逃亡生活の果てに何もなせず亡くなったという認識となっている。」
唯一、歴史の授業だけはこの世界で本当に初めて触れるものなので真面目に受けなければならないが、それでも、元々幼少期に受けていた教育等も相まって今のところは苦戦することもなく済んでいる。
そして。
「さて、今日は受け身の授業を行っていこう。受け身というのは軽視されがちでみんなも実家の方では受けてこなかったと思うが、実践においてはかなり大事だ。これが出来るか出来ないかによって、実践での勝率と生存率は大きく変わってくる。全員、気を抜かずにしっかりと授業を受けるように」
前世では考えることもなかった武道や魔法の授業においても、問題はなかった。
「……それで、そうだな。リーベとグラースは俺と一緒にクラスメートたちを見て、アドバイスを行うこと。二人は最低でも五回はアドバイスするように。ありとあらゆるものごとにおいて、基本的なゴールは相手へと教えられるようになることだ。これも二人の授業なのでしっかりと行うように」
「「はーい」」
僕とリーベはクラスメートたちの中で実力が際立っており、先生から同じ扱いをされるくらいだ。
前世にはなかった武道や魔法の授業の時間は僕とリーベにとって、他人へと教える時間になっていた。
これで心配事などあるはずもなかった。
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