　レイシアなどのクラスメートたちと言葉を交わし、そのまま自分の婚約者をどうするかについて考えていた中。

「(ははは、何を考えているんだろうか。僕は何を舞い上がっていたんだろうか。僕は、勝手に、一人で、久しぶりに会うグラースを前に盛り上がってテンション上げて。何で、彼が少し周りと話すだけで僕は嫉妬して、いや、もうわかっている。何で、こんなにも嫉妬しているのか。そんなことわかっている僕は、だって、そうだ。ずっと前からグラースのことが、恋愛対象として好きだったんだ。始まって会った日からずっと、グラースは僕の好きな人だったんだ。あぁ。でも。だから何だろうか。グラースが僕を恋愛対象として見ているはずがないのに。あぁ、何で僕はグラースのことを好きになったんだろう。何で僕は男として生まれてきちゃったんだろう。僕が女の子だったら、グラースの隣に堂々と入れた。周りの女たちを叩き潰せた。グラースの婚約者に慣れた。グラースが女の子と話して、それに嫉妬する必要もなかった。毎晩、グラースが誰かと婚約することをなんとなく想像して涙を流して。何となく誰かと子作りしていることを想像して涙を流して。グラースが誰か知らない別の女の隣で、子供を産むことの出来ない僕のことなど忘れて、幸せそうな笑顔で自分の子供を腕に抱いているところを想像して、心が張り裂けそうになることもなかった。僕は子供を産めない。僕は孕めない。自分の大好きな人との子供を作ることが出来ない。もう嫌だ。もう嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」

　一つの闇が徐々に濃くなっていた。

「(なんで僕はグラースのことが好きになっちゃったんだろう)」

「(なんで僕はこんなにダメなんだろう)」

「(なんで僕は同性を好きになる欠陥として生まれてきちゃったんだろう)」