第6話
天内は高層マンションの最上階に暮らしていた。
「さぁ、どうぞ。あがってください」
「お邪魔します」
家の中に入ってまず目に入ったのは大きな絵画だった。
その次に目に入って来たのは大理石の廊下。
廊下には芸術品らしきものがいくつか並んでいる。
天内がお金持ちだということは有名な話だったがまさかここまでとは思っていなかった。
「とりあえず、ご飯を作ってしまいますので神崎さんはリビングでくつろいでいてください」
「手伝わなくていいのか?」
「手伝ってくれるのですか?」
「料理を作らないだけで、料理をすることはできるからな」
「そういうことなら一緒に作りますか?」
「あぁ、ただ待っているだけってのも申し訳ないしな。手伝わせてくれ」
「分かりました。では、一緒に作りましょう」
靴を脱いで、天内が用意してくれていたスリッパ(猫耳付き)を履いて、大理石の廊下を歩いて俺たちはリビングに移動した。
リビングの床も大理石で、広さは俺の暮らしている家のリビングの三倍くらいあった。
家具はどれも高級なやつで、リビングには絵画や芸術品がいくつか置いていあった。
「それでは早速作りましょう」
「そうだな」
「神崎さんは野菜の皮むきをお願いしてもいいですか?」
「おけ」
天内からピーラーを受け取った俺はジャガイモの皮を剥き始めた。
その間、天内は玉ねぎを切っていた。
トントントンと心地の良い音が隣から聞こえてくる。
それだけで天内が普段が料理をしていることが伝わって来た。
玉ねぎを切っているから涙目になっているのではないかと思ったが、天内は涙を流さない方法を知っているみたいで、涙目にはなっていなかった。
「ジャガイモの皮剥き終わったぞ」
「ありがとうございます。次はにんじんをお願いします」
「おけ」
皮を剥き終わったジャガイモを天内に渡して俺はにんじんの皮を剥き始めた。
天内は俺から受け取ったジャガイモを切っていた。
そんな感じでカレーライス作りは進んでいった。
「後はカレールゥを入れて煮込むだけなので、神崎さんはくつろいでいてください」
「じゃあ、そうさせてもらうかな」
俺はリビングに移動してソファーに座った。
皮製のソファーは俺(167㎝)が寝転がっても後数人は人が座れるほど大きく、沈み込んでしまいそうなほどふかふかだった。
そんなソファーに座った途端に眠気が襲って来た。
ゲームセンターでかなり体力を使ってしまったのかもしれない。
大きなあくびが出た。
カレーライスが出来上がるまでもう少し時間がかかりそうだと思い俺は少し仮眠を取ることにした。
☆☆☆
「……さん。……崎さん。神崎さん」
誰かに名前を呼ばれたような気がして俺は目を覚ました。
「あ、天内? あれ、俺……」
「気持ち良さそうに寝ていましたよ」
「寝てしまってたのか。悪い」
「いえ、今日一日付き合わせてしまいましたからね。きっとお疲れだったんでしょう」
そう言って天内は俺の頭を優しく撫でてきた。
そこで気が付いた。
俺が天内に膝枕をされていることに。
そのことに気が付いて起き上がろうとしたが、天内に肩を押さえつけられた。
「もう少し寝ていてもいいですよ?」
「天内に膝枕をされてるなんて学校のやつらに知られたら殺されるな」
「今ここには私と神崎さんしかいないのですから、そんなことは気にしないでいいじゃないですか。今は私の膝枕を好きなだけ堪能することだけ考えていればいいんですよ♡」
そんな甘美な言葉を囁かれて、抗う気持ちは無くなってしまった。
俺は再び天内の膝の上に頭を乗せた。
初めて女性にしてもらう膝枕が学年一の美少女の天内だなんて、こんなことがあっていいのだろうか。
天内の膝枕は寝心地が良くて、このまま気を抜いたら、もうひと眠りしてしまいそうだった。
(それにしても大きいな)
俺は目の前にある二つの山(おっぱい)を見て改めて思った。
そして、この後、このおっぱいを触らせてもらうんだよなとも思った。
「そんなに私のおっぱいが気になりますか?」
「えっ……」
「さっきからずっと見つめているので触りたいのかと思いまして。いいですよ♡ 本当はご飯を食べた後に触らせてあげるつもりでしたが、今、触りますか?」
天内が自分のおっぱいを両手でゆさゆさと揺らしながら言った。
今までの天内のイメージ像だったら、その行動に驚いていただろう。
しかし、今日一日、天内と一緒にいて、天内はこういうことを平気でしてくるということが分かっていたので特に驚くことはなかった。
(今日は天内にからかわれてばかりだからな)
そろそろ反撃に転じようかと思った俺は天内のおっぱいに手を伸ばして触った。
「柔らか……」
俺の手に収まらないほど大きな天内のおっぱいはこの世のものとは思えないくらい柔らかかった。
「も、もぅ、いきなり触らないでくださいよ。ビックリしたじゃないですか」
「触っていいって言ったのは天内だろ?」
「そ、そうですけど……」
さっきまでの強気の態度はどこにいったのか、天内はどんどんと小声になっていった。
これをチャンスだと思った俺は体を起こして天内の隣に座った。
「もっと触ってもいいか?」
俺は天内の耳元でそう囁いた。
天内は顔を真っ赤にしながらもコクっと頷いた。
「じゃあ、遠慮なく」
さっきは触れただけだったが、今度は天内のおっぱいを堪能するように揉んだ。
「あっ♡」
天内が喘ぎ声をあげた。
俺におっぱいを揉まれている天内は気持ち良さそうな顔をしていた。
天内がそんな顔をするもんだから、俺の中に理性のタガが外れた音がした。
本当はすぐにやめようと思っていたけど、俺は本能のままに天内のおっぱいを揉み続けた。
「か、神崎さん……そんなに激しく揉まれると、私……我慢できなくなってしまいます」
そう言った天内はこれまでに見たことがないようなほど蕩けた表情をしていた。
「我慢できなくなるとどうなるんだ?」
「神崎さんのことを襲っちゃいます♡」
「天内にだったら襲われてもいいな」
「もぅ、そんなこと言ってると本当に襲っちゃいますよ?」
「いいぞ。てか、そのつもりで俺のことを誘ったんじゃないのか?」
「ふふ、そのつもりがなかったと言えば嘘になりますね♡」
「だよな」
「このまま続きを、といきたいところですが、まずはご飯を食べませんか? お腹がペコペコなのですし、体力が必要ですからね♡」
「そうだな」
「それではすぐにご飯の準備をしますね」
「俺も手伝うよ」
「ありがとうございます」
このまま続き、というのが何を意味するのかさすがに理解はしていた。
天内がどこまで本気なのか分からないが、もしかしたら俺は今日、男として一皮剥けることになるかもしれない。
心の準備だけはしておこうと思いながら俺は天内と一緒にご飯の準備をした。
テーブルに二人分のカレーライスが並び、俺と天内は向かい合う形で椅子に座った。
「それでは食べましょうか」
「そうだな」
「いただきます」
「いただきます」
お互いに手を合わせご飯を食べ始めた。
天内特製のカレーライス。
天内の手料理。
これを食べたい男子がどれほどいることだろうか。
そんなことを思いながら俺は天内特製のカレーライスを一口食べた。
「ど、どうですか?」
「めっちゃ美味しいよ」
「本当ですか? よかったです」
心配そうな顔で俺がカレーライスを食べるのを見つめていた天内は、俺が感想を伝えると安堵したように笑みを溢した。
「神崎さんのお口に合ったようで安心しました」
そう言って天内もカレーライスを一口食べた。
それから俺たちは他愛もない話をしながらカレーライスを食べ進めた。
☆☆☆
第1章 了
ここから先はエッチな話になるので続きは『ノクターンノベルズ』の方に投稿させてもらおうと思っています。
続きが気になる方はぜひそちらもご覧ください。
ノクターンノベル更新 書けたら投稿
カクヨム更新 8/7(水)
第2章までしばらくお待ちください。
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