第6話 元夫との始まり、そして親友は…

元夫と出会った翌日

夕方、親友から連絡があった。

親友のお父さんは、刺青も入っているような怖い人だったので

外泊したことを怒られると察知した友達は髪の毛を黒に染めて帰って来た。

殴られるかもしれないから一緒に帰って欲しいと…

帰ると、やはりすごい剣幕で

「すぐ坊主にしろ!」と怒鳴るお父さんに勇気を出して「やめて下さい」と言うと

「お前には関係ない」と怒鳴られた。

分かってはいたのだけれど…

人間って、とっさに同じ行動を取るのだと驚いた。

許して貰えることも分かっていたので…

必死に泣きながら頼んだ。

坊主にはしない代わりに、罰として親友は田舎へ行かされることになった。


親友に別行動になってから、どうしていたのかを聞くと

親友は、昨日会った男の人とホテルに行ったけど

後から別の男の人が現れ、覚せい剤を打たれたそうだ。

そうだった…

すっかり忘れていた…

考えてみたら親友の過去を変えても、私の過去に影響はないのではないか…

後悔したが後の祭りだ…

40年以上前のことだと忘れていることも沢山あると悟った。


友達が田舎に行かされている間に私と元夫との関係も進んでいた。

元夫は、顔も怖いし暴力団ではないかと思っていたが某右翼団体の行動隊長だった。

そんな人と付き合うことになった私は学校に外車で迎えに来られることに

優越感を感じていた。

調子に乗っていたのだ…


それから、数か月後

私は妊娠した。


16歳の私には、どうすることもできず

二人で話し合い、中絶することにした。

それも分かっていたが、こうするしかなかった。

病院は、中絶でも保険をきかせてくれるという怖い病院だった。

中絶した後、何度も激痛が襲い病院に行った。

その時、彼は私を抱えて病院に連れて行ってくれた。

モルヒネを投与してもらい何とかなったが、私は家に帰れなくなっていた。

心配した父は、私の荷物の中に産婦人科の診察券と、元夫の右翼団体の名刺を見つけ…

慌てて捜索願いを出していた。


事務所に警察から連絡があったので慌てて家に帰った。

私は18歳未満

県条例違反…

元夫は逮捕と言われたが右翼団体に出入りしている刑事さんの計らいで穏便に収めて貰った。


身体も落ち着いていき穏やかな日々が続いていたある日

夜、車でウロウロしていた私たちは職務質問を受けた。

車の中には、木刀やら危険なものが沢山ある

元夫だけ警察署に連れて行かれた。


ついにこの日がやって来た…

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