第5話 元夫との出会い
15歳の春
私は定時制の高校に入学した。
定時制といえば、夜間に学校に通うイメージだが
その学校は、朝から昼までの通学だった。
朝の通学は、全日制の生徒と通うから世間的には定時制とは分からない。
ほとんどの友達は、午後からバイトに行くが
私は家に帰って家事をしていた。
友達のバイトが休みだと遊びに行く。
同級生と付き合ったり別れたり…
そんな毎日が続いていた。
秋…
私は、人生を左右する出会いをする。
その日が刻々と迫っていた。
この出会いが無ければ…と何度も後悔した。
今でも人生を振り返ると涙が出るほどに辛い過去。
でも、その人生を乗り越えたから
57歳の私は、幸せだったのだ。
だからこの出会いを、57歳の私は
後悔していなかった事を思い出していた…
ある夜、親友が訪ねて来る。
それがきっかけで元夫と出会うことになるのだ。
その日は、定刻通りやってきた。
夜、親友が突然家に来た。
親友の家は複雑だったが…
「聞いて、ずっと叔母さんだと思っていた人が、お父さんの愛人だった」
泣きながら言って来た。
そうだった。この話は私も衝撃だったからよく覚えている。
私もその叔母さんには、何度も会ったことがあるから
ショックだった。
親友が落ち着いてから
「遅くなったから、いつもの所まで送っていくよ」
近くの病院まで送っていって、またそこで話し込んでいた。
「何してるの?」
外車から降りて来たおじさんが話しかけて来た。
「いえ、べつに」
それから色々話をした。
おじさんは、その病院に入院していた。
事故で入院しているらしいが、元気そう。
その病院は、そういう病院だった。
「外車に乗ってみない?」
親友はすぐ
「乗ってみたい」
私は大丈夫か?と思っていたが
あっという間に話は進み、車に乗り込むことに…
わかっていることだが、今の心だと
思うことはいっぱいだ…
何をしてんだか…
それから、私たちは隣の町に行った。
そこで、私は別の車に乗ることとなる。
運転手がいないすきに、偽名を使おうと思っていたけど
そんな暇もなく
「じゃ、行こうか。ゆうこちゃん」
そう言いながら運転手が戻ってきた。
親友が私の名前を喋ったのは、二度目の人生も一緒だった…
その運転手が、元夫だった。
そこからなぜか、おじさんは消えていて
親友も違う車に乗せられていた。
一緒に喫茶店に行って4人で話をした後
別行動になった。
私は、元夫が寝泊まりしている
マンションに向かった。
顔は怖いが…
そんなに悪そうな人でもない。
そう思ってしまった私は、彼と一夜を共にした。
その頃の私は、子どもだった…
顔の怖い外車に乗ったお兄さんを
格好いいと思っていたのだから…
私、16歳。元夫、23歳の出会いだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます