第8話ガイズドの感謝
勝負に勝った俺はそれを祝うパーティーに参加することになった。
しれっと抜け出そうとしたが引き止められた。
この辺りでシーターの家族のことを紹介しておこう。
父親であるガイズドさんは前に紹介したから良いとして、母親のイリーさん。
俺が抜け出すのを止めた張本人だ。
明るい性格をしており話しやすい人。
そして、シーターの姉と言われても違和感のない位若く見える。
姉のレイシーさん。
初めはこちらを観察している素振りもあったがある程度時間が経つとそれもなくなり気さくに話し掛けてくれるようになった。
時折シーターを傷つけたら許さないと釘を刺してくる。
過剰ではあるが妹思いの優しい人だ。
妹のイーリアちゃん。
少し人見知りではあるようだが馴れればとても人懐っこい子だ。
人見知りと言っても本当の初対面の時だけなのだろう。
とこんな感じだ。
年齢はシーターが同い年なの以外は知らない。
今のご時世で意味もなく年齢を聞くのは○○ハラのどれかに入るかもしれない。
まあここは地球じゃないから大丈夫かもしれないが……………
さて、パーティーはもちろんシーターの家で行うわけだがガイズドさんとどう接して良いか分からない。
そう思っているとガイズドさんに呼ばれた。
ガイズドさんのところに行くと少し皆から距離をとるように離れた。
「ありがとう!ほんっとうにありがとう!」
「え?」
急な感謝の言葉に困惑する。
「俺も本当はロイズ、村長の息子との結婚は嫌だったんだ。しかし、娘のためとはいえ自分を曲げる事は出来ず俺に勝てない者は受け付けないようにしていたんだ。だからありがとう」
ということは手加減してたのかな?
いや、自分を曲げたくないと言っているのだからしてないか。
この時俺のガイズドさんの印象に優しい、不器用が追加された。
「いえ、ここに来たのは成り行きだったので……………」
あっ!ヤバい。
ボロ出ちゃった。
「ほう」
「あ、いや、その………」
「………あのザ青春って感じも演技か?」
「えっと……何のことですか?」
何だよ。ザ青春って。
「その様子はあれは演技じゃないみたいだな。しばらくここに住めば分かる」
「何のことかは分からないですけど分かりました。この村に宿屋みたいなのってありますか?」
「多分想像通りだろうが無いぞ。てか、宿屋あったらそこに住む気だったな?そんな水くさい事せずに家に泊まれよ」
水くさいって……………まだ会って1日やそこらなんですけど。
どうせ行く当てもないし魔王もまだいないみたいだからとりあえずここに住むことにしよう。
何気にこんなに女性が多い家に住んだことがなく緊張しているのは内緒だ。
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