第10話 子供心を思い出す

 メインのプールが波の出るプールであり、そのほかにも小さい子供用のプールや各種スライダーが設置されていてとても楽しそうだ。まずは、みんなで軽く波に揺られながら泳ぐことを楽しむ。グループで海やプールに来ると大体一人は泳げない人が出ることが多いけれど、今回のメンツはみんな運動部なこともあって泳げる人ばっかりだったようだ。波をかけれることはウザイと思いながらも、何だかんだみんなでじゃれあっているのも幸せなことである。どうしても、高校生が終わると仲良しグループみたいな集団的な遊びは減っていく。みんなそれなりに温水に慣れてきたのでウォータースライダーに乗ることになった。本来なら大人は1ずつだが、5人なので2:3のペアに分かれて滑ることになった。そこで俺は紗耶香と、優貴と颯と夏海のペアになり滑り台の付近で順番が来るのを喋りながら待っていた。

「ねえ、うちらの水着どお?全然反応してくれんくて悲しいんやけど」と夏海に言われてしまった。彼女が着ているのはオレンジ色のブラジリアンホルターネックのビキニだった。まあ、率直にエロいと思ってしまったので墓穴を掘らんように黙っといたのにやっぱりその話題を振ってくるかー(笑)と思いながら、男子メンバーは顔を見合わせる。

「すごく似合っているよ」と無難な回答を選ぶ優貴。

「うん、めちゃくちゃエッチな感じだよ」と見事にBADエンドの選択肢を選んで夏海にくすぐりの計にされることが確定していたが、「いや、むしろご褒美じゃね、それ」と思いながらも紗耶香の水着にも感想を言う。

「紗耶香の水着もすごく似合って超素敵だよ」

「ありがと、普段水着なんて着ないからちょっと恥ずかしいけど(笑)」と、はにかみながらも柔らかい笑みを浮かべていた。彼女の水着は白の三角ビキニだったのだが、彼女の清純派な雰囲気と髪色にすごくマッチしており、通りすがる人がチラチラ見てしまうほど似合っていた。正直、口に出して言いはしないが、こんな美女二人にイケメンと幼馴染って俺あまりにも役徳すぎんか。前世でどれだけの善行を積んだらそうなるんだよ。これから紗耶香と二人でウォータースライダーを滑るわけだが、女子と体を密着させて滑るなんて万年童貞の俺にはハードル高えよと思いながらも可愛い子と二人きりで滑れる喜びもあってすごく複雑な心境だった。そして、俺らの順番が来たので紗耶香と一緒に乗ったのだが、思ったよりも緊張せずに楽しく滑ることが出来たので良かった。こういうイベントごとの時とかって緊張しがちでけど、いざ実際にやってみると気にならなかったりするもんだよな。


 みんなで散々プールを満喫した後はそれぞれ、男女に別れて温泉に行き身体を温め直して、自室に戻るところだった。勿論、男女は別部屋である。男3人はかなりぎゅうぎゅうではあるもののホテルの部屋では勉強くらいしか予定していなかったのでそこまで問題があるわけではない。俺らは道中の自動販売機で買ったコンドームを投げ合って女子の帰宅を待つ。今でこそコンドームの自動販売機は減った気がするが、昔ならどこのホテルにもあるのが当たり前だったからなあとか、しみじみと思っていたら携帯で連絡をとっていた優貴が「女子たちも準備できたみたいだから夕食の会場に行こう」と促した。


※ストックがなくなったため、次回以降の更新は未定です。

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