第8話 勉強合宿

 皆さん、思い出して欲しい。我々の最初の目的を。そう、勉強合宿ですよ。余りにも勉強とはかけ離れた描写が多すぎて忘れていた人もいるんじゃないか(笑)

 俺たちは再び絶望した。特に夏海の顔が青ざめている。今回の計画を立てたのはどうやら、紗耶香らしく、他のみんなは連絡を北海道に行くことしか知らなかったらしく、皆、紗耶香に任せておけば大丈夫だと慢心していたのである。これが大変なミスだったのだ。なんと目的地の洞爺湖は首都圏ではなく、札幌からかなり離れた場所にあったのだ。なので、観光はいったん後回しにして、洞爺湖にあるホテルに向かうことにした。{北海道、土地が広すぎて空港からホテルまで最短で一時間四十分弱かかるのである。遠すぎ~千葉から東京余裕で行けるやないかい。※夏の北海道旅行は車の免許を取ってから行くことを推奨します。}

 俺たちは目的地である洞爺湖に向かう為、新千歳空港から電車で移動してた。

「北海道って広いって聞くけど実際にここまでとは思わなかったな」と話を切り出す優貴。

「僕たちが、次ぎ来る機会があれば、免許を取ってからにしたいね」と武藤も同意する。

「まあ、冬は雪道の運転が大変らしいから、次、夏に来るってことを考えると大学一年になってるね。先の事すぎて全然、想像できないわ」と紗耶香も頷く。

【大学に入っても俺らはずっと仲のいい友達だから……みたいな綺麗事を言う人は世の中に沢山いますが、その関係が続くのはほんの一部だけです。高校生のうちにやりたいことは、高校生でいる時にした方がいいし、基本、関係性が壊れないことの方が少ないです。仲のいいグループというのは何かしらの形が亀裂が入ったらその時点で瓦解するものです。グループの一人が進学先を県外にした時点で大学も高校までと同じような関係は難しく基本は自然消滅しがちです。グループのうちの誰かがその関係性を愛し、人間関係を繋ぎ止める努力をしなければ、今まで通りというわけにはいきません。】

「まあ、俺は二度と飛行機乗りたくないから、来たくないけどな~(笑)」と俺は言う。

 そんな会話をしながら電車の心地良さに揺られ、深い眠りについた。その中でも夏海だけは故郷を懐かしむように、電車から見える青々とした大地、雲の多い空、草や木々が生い茂っている自然豊かな地形が目に留まる。穏やかなに揺られながら、一向は目的地の洞爺湖に到着した。



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