第2話 いじめ

絵心真守は、大きい校門を通りクラス表が貼ってある、ホワイトボードを見る。

ホワイトボードのクラス表には、1-Dと書いてある。

玄関に入ろうとすると、キョロキョロしている、身長は158cm程の小柄な女性で、黒髪ショートのマゼンタのインナーカラーが入っている。

 ―なんか、変な人いる。

 絵心真守は、女性に話しかける。

「あの?、どうしたんですか?」

 すると女性はこちらを振り向き、一方的に話し始める。

「え、えっと、教室が分からなくて、1-Dなんですけど、この学校広くて、教室かと思ったら体育館だったり、理科室だったり、3年生のフロアだったりで大変で、」

 ―3年生のフロアは、3階だぞ、どんだけ方向音痴なんだ

「そうなんですか、同じクラスなので一緒に行きますか?」

「ほんと?! 」

 女性は歓喜あまって飛び跳ねる。

 2人は、自分たちの教室まで歩く。

「俺の名前は、絵心真守って言います。」

「私の名前はね、峯崎天音だよ!よろしく!」

「よろしくお願いします。」

「てかなんで敬語なの?」

「別に理由はないてますけど。」

「じゃぁタメ口で話そうよ!」

「遠慮しときます。」

「なんでよ〜」

 峯崎天音は、頬をわざとらしく膨らませる。

 2人が雑談をしていると、教室に着き扉を開けると、そこには勉強をしている人だったり、既にグループを作ってる人などがいる。絵心真守は、自席に行き準備をする。

 数十分が経つと、教室に教師が入って来てホームルームが始まる。

「今からホームルームを始めるとは言っても、まずは自己紹介からだな、俺の名前は佐藤天井だ。よろしく頼む、これからお前らにも自己紹介をしてもらう。」

 次々と自己紹介をする中、早めに絵心真守に自己紹介の番が回ってくる。

 「名前は絵心真守です、好きなことは絵を描くこと、嫌いなことは寝ること食べること?とかです。」

 担任が心配そうに話す。

「絵心真守大丈夫か?飯食ってるか?」

「食べてますよ。」

次々と他の生徒が自己紹介をしてく。

 そしてホームルームが終わり、放課が訪れる。

峯崎天音は周りをキョロキョロして、絵心真守を見つけるとこちらに走ってる。

「絵心くん、何してるの?」

 絵心真守は、鉛筆で猫の絵を描いている。その絵はものすごく忠実で、黒猫で、目が真ん丸なことから夜の絵なのが伺える。

「天音さん、この絵から何を感じる?」

「可愛い!」

「そういうのじゃなくて、もっとなんかこう、この猫の背景とか、何を思ってるとか、どこにいるとかそういうのでお願いします。」

天音は少し考えたあと結論を出す。

「暗い所にいる?目がまん丸だし、でもどこか希望?みたいなのが感じるかな!…変なかな?」

「とてもいいと思いますよ、感性は人それぞれなので。」

「絵を描くの好きなんだね!」

―自己紹介の時に言ってたんだけどな

「そうですね、絵は好きです。」

 峯崎天音は急に話を変える。

「ねぇ!今日一緒に帰らない?」

 絵心真守は少し困惑する。

「なんでですか?」

「理由なんている?」

―!?

 絵心真守は、何か嫌な予感がする。

「明日ならいいですけどすいません今日は、ちょっと用事があって。」

「じゃぁ、連絡先交換しよ!」

「分かりました。」

メールから通知が来る。

 

 峯崎天音から猫のスタンプが届く。

 真守も、猫のスタンプで返事をする。


「今、メールで会話する必要あります?」

「ないよ?てかそういうのいちいち気にするタイプ?モテないよ?」

「うるさいですね。」


 長い学校生活も終わりが近ずき、ホームルームが開かれる。

 担任が話し始める

「明日からは学校生活も本格的に始まるから、気を引き締めるように、じゃぁさようなら」

絵心真は、荷物を持って廊下から、体育館に向かう。

 

 峯崎天音は、体育館に行く姿を見て、不思議に思う。

―どこに行くんだろう、体育館?今日体育館なんて行くタイミングなかったような。

不思議に思った、峯崎天音は、そのままついて行ってしまう。


 絵心真守は、体育館に向かい着くと舞台に登り座ると、スマホをスピーカーに繋げて大音量で音楽を流す。 

 すると眼鏡をかけた教員が、体育館へと来る。

「もう下校時間は過ぎてるぞ、案内するから着いてこい、」

絵心真守は、舞台から飛び降りる。

「うっせバーカ。」

「目上の人には敬語を使えって教えてもらわかなかったのか?」

「目上?、害虫になんで敬語なんて使わなきゃなんねぇんだよ、ドアホ。」

「害虫?おいおい、人の事をあまりバカにするんじゃないよ」

「1年前に、あんたは行方不明になってるはずだけど?」

 体育館に不穏な空気が流れる。

「なぁんだ、もうバレてんだ」

 教師の右腕が、まるで粘土を張りつけたように大きくなり、太い血管が浮き彫りになる。その姿はまるで人とは違う何かで、時よりビクついている。

「セーフか、弱い方で良かった、初任務で死ぬとかやだからな。」

 教師はこちらへ殴りかかってくる。絵心真守は、華麗に避けてナイフで腕を切り落とす。しかし右腕はたちまち元通りに戻ってしまう。

「そのナイフ、なんだ?、メスのように、見えるが、刃の部分が、長い、」

「このナイフのことか?これ特注で作ってもらったんでね。ところで、絵を描いていいかな?」

「……は?」

 体育館に沈黙が広がる。

「まずは内蔵を引っ張り出して、いや心臓の絵でも描くか?……あ!脳みそにしよう脳の絵を描こう。」

「変態、が」

「害虫に言われたくないよ。」

 絵心真守は、床を強く踏み込み走る疾風とも言える速さで、教師に近ずく。教師は右腕を振りかざし絵心真守を殴ろうとするが、絵心真守は右腕を真っ二つに切りそのままの勢いで首の頸動脈を切る。すると血しぶきが、広がりその場に倒れる。

 血だらけになった自分の体を見て、絵心真守が不満そうな顔をする。

「汚ねぇ、それよりも、脳みそ!脳みそ!」

 特注のナイフで体を解体してバックの中に内蔵などを詰めていく。

「良かった〜、保冷剤持ってきてて、てか、説明するの忘れてた。」

「驚いだでしょ、あまりにも早くて、実はさ俺ら、寄生虫を打ってるの、なんか適応したやつが死なずに駆除活動ができる?的な感じらしいよってもう死んでるか」

「あ、やべ忘れてた」

 スマホで神宮寺鵠に電話をかける。

「駆除完了しました。」

「初仕事お疲れ様だ、家に帰ってゆっくり休むといい。」

「はい、ありがとうございます、では失礼します。」

 電話を終えると、絵心真守は体育館から帰ろうと廊下に出ると、男子トイレの個室からガタガタと音がする。

―まだ駆除出来ない奴がいるのか?

 絵心真守は、忍び足でゆっくりちかずくそしてトイレの鍵を壊し開けると。

 そこには……峯崎天音が居た。

「なんでいるの?」

「え、へ、変態っ!」

 絵心真守をビンタする。

「いやっ、ここ男子トイレだから」

 峯崎天音は、驚いたように1度廊下に出て確認すると、男子トイレであり、頬をあからめる。絵心真守は、ため息をつきながらトイレから出てくる。峯崎天音は、はっと気づいたように言う。 

「敬語使ってない!やったーー!!」

「あ、忘れてました。」

「なんで使うのよ、。」

 あからさまに悲しそうな顔をする。

「よくわかりやすいって言われませんか?」

「言われる?なんで分かるの?」

「分かりやすからです。」

 2人は今までのことを話しながら帰路に着く。

「馬鹿ですね、ちゃんと帰らないからそうなるんですよ。」

「バカとは酷いな〜」

「というかどこまで着いてくるんですか?」

「私も家こっちの方だもん!」

「え、この先どっちですが、せーので指さしますよ。」

「うん!」

『せーの』

 2人は同じ方向を指さす。

―同じ道だ……。

 絵心真守は頭を抱える。

 すると前から沖田海集がこっちに走ってくる。

「真くーん!おつかれさまーーー!!!!」

 沖田海集は、絵心真守に抱きつく。

「離れてください。」

「冷たいなぁ、真くんはもっといい反応してくれてもいいよ?」

「で、君誰?」

「私は、峯崎天音って言います!1年生です!」

 沖田海集は、ゆっくりと絵心真守の方をむく。

「彼女?」

「なわけありますか。ただの友達ですよ。」

「なーんだつまんないの!」

「学校初日から彼女を作るほど浮かれてませんよ。」

「そんな浮かれてたら私がぶっ飛ばします!」

「天音さんさっすが〜、頼んだよ!」

「めんどくさ。」

「今、めんどくさって言った!」

「酷いよ真くん、」

 2人は、絵心真守を揺さぶる。

 ―めんどくさ。


 次回 お出かけ

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生き恥と死に損ないのワルツ @rokunimu

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