第38話
俺はサーバントと共に後ろに下がりながらMPポーションを飲む。
MPポーションはゆっくりとMPが回復する。
ダメージを受けたサーバントに魔力を流して回復していった。
そしてサーバント13体すべてを完全回復させるとサーバントに見張りを任せて街に戻った。
ストラクタさんが出迎える。
「盗賊は今の所森にいます。今はたまたまモンスターの群れにぶつかって戦っています」
「森に行ったか」
盗賊は失敗した。
森は木があり隠れやすい、そう思ったんだろう。
でも隠れられるのはモンスターもサーバントも同じだ。
森は隠れやすいが奇襲を受けやすい。
盗賊は街を出て街道を進み違う街に移住すればよかったが無意識に隠れられる森に向かったんだろう。
奇襲をする事は考えていても奇襲を受ける事は考えていなかったようだ。
今は夜の盗賊狩りに備えて休もう。
次が本番だ。
「夜まで休みます」
「ああ、ご苦労だった」
俺は夜まで休んだ。
夜になり盗賊の元へ向かう。
「私は進化したので今回は役に立てます!」
モモが張り切っている。
「う~ん、盗賊はみんな疲れているかもしれない」
「今は草原に移動したんだよね?」
「うん、森から逃げて草原にいる。みんな疲れていて街から思うように離れられなかったようだな」
サーバントで盗賊を見張っていた。
盗賊がサーバントに攻撃を仕掛けてきたがその時はサーバントが矢で攻撃を放ち撃退した。
盗賊は森でモンスターと戦い消耗し、草原に逃げたが今度はゴブリンとオークに遭遇して戦いさらに消耗した。
今盗賊たちは焚火をしている。
周りにいるモンスターは一通り倒したようだ。
数が多い為か隠れる気も無いようだ。
数の上では盗賊が300人近く、こっちは熟練冒険者が100人程度だが向こうは疲れている為夜の襲撃は決行された。
月明かりの下、3人の盗賊が前に出た。
「俺の名は力のパワードだ」
大男が拳を握った。
「俺は魔力のマジカ」
杖の魔装を持った男が杖を構える。
「技のテクニクだ」
男が剣を構える。
冒険者が焦りだす。
「3人とも有名な盗賊だ! 何人もの冒険者があの3人の為に殺された」
「まずいぜ、あの3人は今だ捕まえられていない」
「大盗賊の賞金首が3人同時に出てきやがたか。この闘い、一筋縄ではいかないぜ」
俺はサーバント13体を前に出した。
本当は力を隠しておきたかったが盗賊は厄介だ。
放置すれば俺の命だけでなく、モモやスレイアの命まで狙われる。
で、前に出たこの3人はゲームでは中ボスだ。
盗賊のアジトを襲った時の敵より弱い。
だがそれはゲームでの話だ。
今どうなのかは分からない。
よって全力で潰す。
「サーバント! 魔力のマジカを狙え!」
俺が闇魔法で弓矢を作るとサーバントも弓矢を発生させて一斉に闇の矢を放った。
マジカは風魔法で矢を跳ね返すがそれでも大量の矢を弾く余裕が無くなり全身に矢を浴びた。
「ぎゃああああああああああああ!」
「え? まじでか! マジカが一瞬で倒れた! 敵は消耗している!」
冒険者が元気になった」
「雑魚は俺に任せときな!」
「雑魚狩りで俺の右に出る者はそういないぜ!」
「弱った相手なら私でも倒せるわ!」
「分かった、皆で盗賊に攻撃だ! あの3人は俺とノワールのパーティーに任せてくれ!」
ストラクタさんの指示で皆が攻撃を開始した。
「うおおおおおおおおおおおお!」
「おりゃああああああああああ!」
「余裕だぜ!」
「スレイア、技のテクニクにセブンランス」
「セブンランス! セブンランス!」
「ノワール! 剣で勝負しろ! あああああああああああああああああ!」
テクニクが氷のランス14本をすべては躱しきれず膝に攻撃を受けた。
更にサーバントと俺の弓矢を浴びる。
「ま! 待てよおおおおおおおおおおぉ!」
技のテクニクが倒れた。
「ふう、後1人、あ、力のパワードが突撃してきた」
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「スレイア、セブンランスを頼む」
スレイアが後ろに下がりながら魔法を詠唱した。
「セブンランス!」
パワードは魔法を受けつつも倒れる事無く走って来る。
俺とサーバントが矢を放つ。
矢を受けながらそれでも走って来る。
俺とサーバントは武器を槍に変えた。
そしてパワードに突き出す。
「ぐあああああああああああああ!」
俺の攻撃が届く前にパワードの動きが止まった。
武器を斧に替えて囲んで振り下ろした。
パワードが倒れる。
パワードだけは殺してしまったか。
3人を倒したことで盗賊が逃げ出した。
「に、逃げろおおお!」
「殺されるううう!」
盗賊が逃げ出す。
「モモ! 一緒に追いかけよう!」
「はい!」
俺とサーバント、そしてモモが逃げる盗賊を追いかける。
後ろから冒険者がついてくる。
「魔装を解除して手を後ろにして伏せろ! 繰り返す! 魔装を解除して手を後ろにして伏せろ!」
盗賊が逃げ続ける。
俺は前に走る盗賊を狙って矢で射殺した。
「モモ! 投降した相手は無視しろ! 逃げる盗賊は殺せえ!」
これは脅しだ。
俺とサーバントは前に回り込みながら一番前にいる盗賊を殺していった。
「投降せず前を走る盗賊を殺せ! 逃げる盗賊を殺せ!」
そして前を走る盗賊を殺した。
すると投降する盗賊が増えていく。
「降参だ! 殺さないでくれ!」
「俺も降参だあ!」
「魔装を解除し手を後ろに組んで伏せろ!」
真また前を走る盗賊を殺すとみんなが魔装を解除して降伏した。
「ノワール! 今回もお手柄だな!」
「ノワールのおかげで楽に勝てたわ」
「ノワール、やっぱお前すげえよ」
「いえ、それよりも盗賊を捕らえましょう」
俺達は盗賊を捕らえてギルドに帰った。
地下牢がパンパンになった。
ゲームでは盗賊が脱獄するイベントが起きる。
出来れば殺しておきたかったがストラクタさんは出来るだけ捕らえる作戦を立てた。
ストラクタさんにお願いをしてある。
王都に盗賊を引き取ってもらうように話を付けて貰ってある。
そしてサーバントで24時間地下牢を見張る事にもした。
1度捕まった盗賊は脱走した後用心深くなる。
そうなれば隠れて悪い事をするようになる。
脱獄されないように出来る限りの事をした。
俺は数日間取り調べの協力で魔法を使い、そして自白によって芋づる式に盗賊を捕まえ、工房に素材を渡して過ごした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。