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生き辛さを感じていたのは、中学生の頃からだったように思う。
私は当時の友人に無理やり引き込まれる形で、運動部に入った。うちの中学は、弱いくせに練習だけは過酷で、水を飲まずにランニングやウサギ跳びといったことをやらされていた。運動下手な私は当然レギュラーにはなれず、下働きばかりやっていた。それでも辞めなかったのは、「逃げたら負け組」「逃げるのは良くないこと」といったスポーツ根性に洗脳されていたからである。
スポーツをすることで、心身が鍛えられる。そのこと自体、全面的に否定するわけでは無い。受験や就活を乗り越えられたのは、少なからずそれが影響したのかもしれないと考えているから。
しかし、「逃げない心」を持ちすぎてしまったのが、私にとっては良くなかった。人生には、逃げてもいい瞬間なんていくらでもあるし、逃げないことが必ずしも美徳とは限らない。逃げるべきタイミングでそうできず、結局心身を壊してしまったのが今の私だ。
そして、中学時代は、友人関係も良いとは言えなかった。酷いいじめを受けたわけではないが、いわゆるスクールカーストでは下の中。容姿や仕草、持ち物を馬鹿にされ、見下されていた。一番惨めだったのは、勇気を持って反抗してみたとき、あんたが怒っても全然怖くない、むしろ可笑しい、と言われたときか。最終的に私は諦めて、何を言われてもヘラヘラ笑っているようになった。
また、この頃に父がうつ病になった。中学生の私は、うつ病というものが理解できず、父の頭がおかしくなってしまったのだと怯えていた。幸い、数年で症状は治まり、今は薬も飲んでいない。皮肉にも、私のよき理解者となってくれている。だが、夜になるとうめき声をあげて苦しんでいる父の姿は、今でも忘れられない。
そうした中学時代を送り、高校受験は無事に志望校に合格した。ただ、その志望校というのが、私を馬鹿にする友人に合わせたところだった。ここで友人との縁を切り、他の高校へ行けていれば、と思うことはある。選択肢はあったのだ。そして高校時代に生き辛さは益々酷くなった。
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