第6話 ホヤ弁
ホヤ弁とは何か?
元大魔王であるこの私の博識さを持ってしても、思い当たる節はない。
「ほれ、見てみ」
と、中森ウララが自分の弁当を見せてくれる。
「色付きのマンゴーみたい」
と、おバカな感想はもちろん御手洗ミツキである。
色付きでないマンゴーがあったら教えて欲しいが、確かにそう見えなくもない。
マンゴーの色を濃くして、イボイボをつけたみたいだ。
「これは何だ?」
「ホヤや」
「ホヤ?」
「キャラクターを形どったのがキャラ弁やろ?ホヤを形どったのがホヤ弁や」
とウララが説明してくれた。
「かわいい〜」
「そやろ?」
「そうか?」
ウーム、ホヤか。
日本では主に三陸沖で漁獲される、魚でも貝でもない、脊索動物の一種だ。
「中身は何だ?」
「焼きおにぎりなんよ」
「よくこの色を出せたな」
「苦労したで。醤油を何回も塗り重ねるんや」
そういえばホヤといえば、日本酒が止まらなくなるというな。
「辛いわ〜、日本茶が止まらなくなる」
「塩分入れすぎだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます