第6話 ホヤ弁

ホヤ弁とは何か?

元大魔王であるこの私の博識さを持ってしても、思い当たる節はない。


「ほれ、見てみ」

と、中森ウララが自分の弁当を見せてくれる。


「色付きのマンゴーみたい」

と、おバカな感想はもちろん御手洗ミツキである。


色付きでないマンゴーがあったら教えて欲しいが、確かにそう見えなくもない。


マンゴーの色を濃くして、イボイボをつけたみたいだ。


「これは何だ?」

「ホヤや」

「ホヤ?」

「キャラクターを形どったのがキャラ弁やろ?ホヤを形どったのがホヤ弁や」

とウララが説明してくれた。


「かわいい〜」

「そやろ?」

「そうか?」


ウーム、ホヤか。

日本では主に三陸沖で漁獲される、魚でも貝でもない、脊索動物の一種だ。


「中身は何だ?」

「焼きおにぎりなんよ」

「よくこの色を出せたな」

「苦労したで。醤油を何回も塗り重ねるんや」


そういえばホヤといえば、日本酒が止まらなくなるというな。


「辛いわ〜、日本茶が止まらなくなる」

「塩分入れすぎだ」


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