第58話

ケーキ買って来たからたべる?


「食べるぅ」


うん、、、用意するから待ってて


彼女は手を離そうとせずにずっと見つめていた


どうした?


「離れたくない、、、」


ものすごい、か弱い声で言っている


食べたくなったら言って

そしたら、準備するから


「やだぁ!今、食べたい、、、おんぶ、、、」


おんぶ!

良いよ、、、ほらっ


「ありがと!」


僕は、風夏をおんぶしてキッチンに向かい冷めたであろうお湯を再度沸かしケーキを4つを同じお皿に用意をし取り皿2枚、フォークを2本をリビングに持っていき

再度、キッチンに向かい紅茶を淹れた


風夏?

火傷しちゃうから一回、降りようかっ


すると、彼女は僕の背中から降りた。


先にリビング行ってて良いよ

と僕は言ったが彼女は動こうとせず

Tシャツを掴んでいる


うん、一緒に行こうね


彼女は相当、落ち込んでいる様子で

何て声をかけてあげれば良いのか分からず

無言で時間が過ぎていっている

別に居心地の悪い無言では無く

自然にゆっくりと過ぎている

紅茶を淹れ終わったので彼女に

リビングに行くよと伝えてゆっくりと動き出し

僕たちは座った。


どれ食べたい?


「これっ!」


彼女が指差したのは僕も好きなショートケーキだった。

食べて欲しい候補1だったので心の中でガッツポーズをした。

僕はショートケーキを彼女の目の前に置いたお皿に乗せた


後、何食べる?


「次は君が選ぶ番」


ありがと、、、どれにしよう、、、やっぱりこれかなっ!


僕はチーズケーキを取った。


食べよっか!


彼女はフォークを取らないでいる


風夏、、、食べたくない?


「食べさせて、、、」


うんっ!良いよ


僕は一口サイズにフォークで切り彼女の口元に持って行った。


あーーーん


「パクッ!」


えっ!

可愛い!


思わず口に出してしまった。


「心の声が漏れちゃってるよぉ、、、笑わせないでよっ!」


あっ!

御免なさい


「少し元気になったぁ!ありがと!、、、ケーキおいしいねっ!」


彼女の表情が柔らかくなってきた










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