第49話

ただいま


(風夏ちゃん、お帰りっ!)


「ただいま、お母さん」


実の子に言わないで何で彼女と思ったけど

仲が良い事は本当に僕にとっても良い事なので

何も言わないでおこう


(お腹空いたでしょ?暑いから素麺、用意したよ!)


テーブルには素麺と麺つゆ、麦茶、グラスに水が用意してあった、我が家ではごく普通の光景だが彼女はきっと分からないであろう


「ねぇね?麺つゆを薄める水はコレを使うのぉ?」


彼女はグラスに入っている水を見つめながら言っている


麺つゆを薄めるのは水じゃなくて

うちは麦茶なんだよね


(試しにやってみ!麦茶で薄めてみなっ)


彼女は言われるがままに麦茶で麺つゆを薄め

素麺を箸ですくい麺つゆの中にいれ一口、口にした。


「えっ!?めっちゃ美味しい!香ばしいと言うかこくが出てて、新発見ですっ!」


(びっくりするよね?コレが我が家の食べ方だよ!簡単だから覚えておいてねっ)


僕たちは楽しい食事を済ませて片付けをした。

すると母から


(話があって来たんだろ?どした?)


うん、、、彼女と暮らしたいって思って、、、相談しにきた


(同棲か、、、彼女の家に行くのかい?)


いや、、、ココで3人で暮らしたいと思ってる、、、ダメかな?


(うーん、、、風夏ちゃんはどうなの?)


「私が住んでる所は流石に2人だと狭いかなって思っていて、、、お母さんが良ければ私はココで暮らせるなら三人で生活したいなって思ってます。」


(風夏ちゃんはそれで良いの?、、、この行動は相当な覚悟がないと上手く行かないと思うんだけど)


相当な覚悟、母と生活する事に覚悟がそんなにも必要なのだろうか?


「覚悟の上で話してます。家族になりたいと思ってます。ダメですか?」


(風夏ちゃん、、、こればかりはダメかな、、、でもね、同棲はして良いよ、、、まだココに入るのは早いと思う、、、風夏ちゃんは凄く頭の良い子だから、この子のメンタル面と私の事を考えての事だろ?嬉しいんだけどね本当は、、、それだと、、、風夏ちゃんの逃げ場が無さすぎるよ、、、自己犠牲はまだ先にしなさい、、、新しい部屋を探すのが大変なら風夏ちゃんの部屋でも大丈夫じゃないの?この子の荷物なんてその日の着替えが有れば良いし、近いんだから荷物を取りに2人で来れば良いんじゃない?)


たしかに、母の言う通りだ

彼女がリフレッシュできる空間が無い

お互いの時間を大切にして、個人の時間も大切にしなくては息が詰まってしまう


「覚悟を持って私もお話ししました。でも、浅はかな部分があって、、、私が少しだけ頑張れば良いだけと安易に思ってしまっていました。御免なさい」


(謝らない謝らない、悪い事、何一つもしてないでしょ、風夏ちゃんはこの子の事を第一に考えてくれた、だから、私は風夏ちゃんが可愛いからダメと言った、ただそれだけだよ)


「はい、、、同棲はします。賢一くんの事を愛してますしもっと愛したいし愛されたい、、、癒されたい、、、こんな理由で良いですか?」


(風夏ちゃんが無理してないなら私は良いよっ!)











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