第20話

僕たちは夕飯を食べ他愛も無い会話をしながら楽しい時間を過ごした。


(今日は、急に呼んじゃってごめんね!、、、ゆっくり出来た?)

と、母が彼女に話しかけた


「はい!とても楽しくてゆっくり出来ました。呼んで頂いてありがとう御座います!」


(ほらっ!あんた、、、もう結構な時間だから送ってあげなっ!)


僕は時間を確認すると22時を回っていた。


伊藤さん家まで送りますよ


「えっ!家までは良いよぉ悪いしさぁ」


えっと、、、送りたいです。

少しでも長く居たい気分で、、、ダメですか?


「ダメじゃないよぉ、、、私も、、、君と一緒に居たいから」


(ほらほら!さっさと帰り支度して)


うん、そうするよ


「今日は、ありがとうございます、、、又、、、遊びにお邪魔して良いですか?」


(当たり前でしょ!いつでも来な!遠慮なんてしちゃダメだよ!)


「ありがとう御座います。又、来ます。」


じゃぁ、送ってくるね


(はいよっ!気をつけて!)


僕たちは家を出た

話し過ぎたのかもしれない、会話が見つからずに時間だけが過ぎていったが、今までとは違くて何でかわからないけど居心地が良かった

会話をしなくても安心するってなんか良いなと感じた。

まだ、胸はドキドキしちゃうけど

会話する事なく駅に着いた


「ねぇね?ほんとに家まで送ってくれるのぉ?」


はい、送りたいです。

迷惑で無ければ


「迷惑な事なんて無いよぉ、、、電車乗るし君の帰りも遅くなっちゃうからちょっと心配で」


大丈夫です。

僕の事は、今日は少しでも伊藤さんと一緒に居たい気分だから


「うんっ!私も君とまだ一緒に居たい!」


僕たちは電車に乗り彼女の最寄り駅で降りて彼女の家まで歩いた。

その間、僕たちは話す事は無かったがとても居心地の良い時間だった。


「ここだよぉ、私のマンション!」


彼女が指差したマンションは想像していたのより小ぶりで芸能人=デッカいマンションを想像していたのでちょっとほっとした。


「じろ〜、、、ひょっとして君は馬鹿でかいマンションを想像していたなぁ?」


はい、、、想像してました。


「そんな訳ないでしょ!一流芸能人でもあるまいしさぁ、、、小さくてごめんだけどさぁ、、、ちょっと上がっていく?」


えっ!良いんですか?


「勿論だよ、、、たださぁ、、、襲わないでよぉ!」


えっえっえっ!

そんな事!しないですよ!


「君は可愛いねっ!良しっ!行こうか!」


彼女が僕の手を握り部屋まで案内してくれ

玄関を開けた瞬間に彼女の匂いに包まれ僕は一気に緊張の糸が張り詰めた。


「ほらほら、、、上がってぇ!お茶淹れるねぇ!適当に座ってねぇ」


僕は適当に座り、彼女とお茶を待つ間

部屋を眺めていた。

これが女性の部屋なんだと、、、

彼女がテーブルにお茶を置いてくれ

彼女は僕の隣に座った。


「ねぇね?ほんとに私で良いの?まだ間に合うよ?」


伊藤さんじゃなきゃダメです。

他の女性を知らないからとかでは無くて

伊藤さんと出会って僕は多分だけど変われて

前を向いてこれからの人生を生きたいと思ったし、そこに伊藤さんが居ないなんて考えられないです。

逆にこんな僕で良いんですか?


「私も君じゃなきゃダメな気がするよぉ!」


彼女は突然

僕にキスをした。

僕は分からなかった。


「あっ!終電間に合う?」


あっ!

走ればなんとか!


「うん!気をつけて帰るんだよ!」


はい!家着いたらメールします!


僕は猛ダッシュで駅へと向かったが電車は時刻通りに行ってしまった。

とりあえず彼女にメールしておこうと


間に合わなかったです。

近くの漫喫で時間つぶしますねー

おやすみなさい


「何を、言っているんだい?家においでぇ!」


いやいや、それは迷惑過ぎます


「怒るよぉっ!そんな事言うと」


良いんですか?


「いいよ」


ありがとう御座います。


僕は彼女の家に向かう事にした。


































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